2012年06月08日
●和文解釈入門 第385回
「スイス領事の見た幕末日本」、ルドルフ・リンダウ、森本英夫訳、新人物往来社、1986年
1859年、1861~62年の日本滞在記。リンダウ(1829~1910)はプロイセン人。外国人の日本印象記としては非常に良い。
「フランス士官の下関海戦記」、アルフレッド・ルサン、樋口裕一訳、新日本往来社、1987年
1863~64年の下関海峡における長州攻撃に参加したフランス士官ルサン(1839~1919)の実見記。下関戦争の実見記としては一番詳しいと思われる。日本人の住居の際立った特徴は極度の清潔さにあるとしているとか、日本人は地上で最も形式的な民族であろうという感想を述べている。
「絵で見る幕末日本」、エメェ・アンベール、茂森唯士訳、講談社学術文庫、2004年
1863~64年スイス使節首席全権エメェ・アンベール(1819~1900)の日本滞在記。露訳からの重訳。図版が多い。アンベールは岩倉具視米欧使節が1874年スイスに来た時応対した。本書の間違いが指摘されたときにも丁寧に教えを乞うたという。
「続・絵で見る幕末日本」、エメェ・アンベール、高橋邦太郎訳、講談社学術文庫、2006年
オリジナル(フランス語)からの訳で、「絵で見る幕末日本」に収録されていない部分の和訳。図版も多く、外交関係には触れず日本および日本人観察に徹した点は好感が持てる。当時の日本を示す観光ガイドとしては本書がベストではないかと思う。
「シュリーマン旅行記清国・日本」、ハインリッヒ・シュリーマン、石井和子訳、講談社学術文庫、1998年
シュリーマンはかのトロイ発掘で有名である。彼が訪日した1865年でも役人の馬は蹄鉄をつけていたが、それ以外は藁のサンダルを馬に履かせていたとある。それでもシドモアが訪れた日光ではまだ駄馬が草鞋を履いていたとあるから、蹄鉄は大都市だけのものだったことが分かる。筆者も今から50年前の函館で駄馬をよく見かけた。無論蹄鉄は履いていたが、よく馬糞が落ちていて、間違って踏むと、背が伸びるとか頭が良くなるといわれたのは、今にして思えば踏んだ人の不運をあざ笑わないということなのだろう。冬は馬糞が雪と交じってザラメのようになったのも思い出した。シュリーマンは家定が長州征伐に出かけたその行列で馬上の家定を見たと書いている。
設問)「断食すると楽になりますか?」をロシア語にせよ。
Становится ли
полегче, когда вы
поститесь ?
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постというのは精進であって、断食であはりません。肉はだめだが、魚や卵、野菜はよいという類です。私の答えは、Голодание приносит облегчение?
Пост дает Вам почувствовать
облегчение ?
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構文としてはよくなりました。чувствоватьのほうが繰り返し、時間の長さという感じがしてよいように思います。
Вы становитесь легким после соблюдения поста?
文字通り「断食すると軽くなりますか」ともとられそうなので、
Улучшается ли у вас состояние организма после того, как постились?
はどうでしょうか。
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постは断食ではないということと、最初の文はполегче, легчеと比較級にすべきですし、чувствоватьを使ったほうがよいでしょう。二番目の文は精進ということを別にすれば、после того, какという時の複合接続詞を使うのであれば、улучшитсяにして、例示的用法にするのがよいのですが、поститьсяは語義上、対応する完了体がないようです。そうなるとпосле того,を取って両方不完了体現在形のままпоститесьとするしかないと思います。こうすればкакの繰り返しの用法が使えると思います。
ありがとうございました。как の繰り返しの用法が как 単独で使えることは知りませんでした。自分では когда поститесь としてしまった気がします。
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когдаを含む従属節と、主節両方に同じ時制の不完了体を使うと同時性を示すことになります。