2012年04月21日
●和文解釈入門 第337回
最近面白い事に気がついた。婚約者(女性)や花嫁はневестаで、嫁はневесткаである。自分がそういう立場に立つことは絶対にないからか、こういう類の単語はわりにいい加減に覚えているものだなと思った次第。
「彼女は警察に届け出た」はОна заявляет в милицию.となり、ソ連時代であれば市民に義務付けられた隣近所の挙動に対する密告という感じだが、盗難届、失踪届などにも使えるし、隣近所の騒音の苦情に対しても使える。具体的に言う場合にはОн заявил об ограблении.(強盗の被害届を出した)とか、Он сделал заявление на вас.(あなたに対して苦情届を出した)などと使う。
родитьは産むという動詞で、女性が主語のはずだが、ロシア語ではОн родил от неё сына и дочь.という文もある。岩波には訳が「彼は彼女との間に一男一女をもうけた」とあり、なかなかうまい訳だと思う。
タイトルは第47回でназвание, заглавие, заголовокの使い分けにを説明したが、титрыは字幕、サブタイトルという意味である。枠はрамаだが、参加枠はквота (участников)である。分泌物はвыделениеだが、眼ヤニはотделяемое в уголках глазという。「射撃する」はстрелять из винтовки(ライフルを撃つ)とизが来るが「ライフルを試射する」はпристеливать винтовкуである。
「訪問する」はпосетить/посещать + 対格(場所)だが、同じ意味をпобывать + в/на + 前置格でも示せる。Я хочу посетить кинстудию. = Я хочу побывать на киностудии.となる。нанести/наносить (сделать/делать, совершить/совершать) визит + 与格というのは非常に硬い表現で、外交関係など公式的報道でよく用いられる。
設問)「この場合手術などとんでもない」をロシア語にせよ。
В таком случае об операции не может быть и речи.
よろしくお願いします。
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正解です。私の回答は、В этом случае об операции не может быть и речи.
「(お)話にならない、問題外、論外」とも訳せる。
В этом случае, совсем нельзя делать операцию.
近頃、ロシア人との会話練習のとき、
「本のタイトル」というつもりで、"имя"としたら通じず、
"название"に訂正されました。
こういう失敗を経ながらも、自分の上達を実感しています。
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会話の向上に必要なのは謙虚さと恥をかく覚悟です。そういう資質はお持ちのようですから、上級者になるものもうすぐでしょう。さてご回答ですが、正解です。禁止の意味ですね。いろいろな表現を覚えることが必要ですが、優先順序をつけることが必要です。厳密に言えば、それは個人によって違いますが、自分が日本語の会話でよく使う言い回しをメモしておいて、それらを重点的にロシア語で何と言うのか調べるというのも一つの手です。最近は熟語集や語彙集もいろいろ出ていますので、それらを暗記するというのもよいでしょう。このコーナーでは、そういう語彙集で扱わないけれども、通訳の現場でよく使うものを紹介するように努めています。
① Не дай бог сделать операцию в этом случае.
② Операции в этом случае не может быть и речи.
③ Немыслимо сделать операцию в этом случае.
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1番目は正解です。完了体が来ているのは危惧を示しているからで、боже упаси (сохрани)としても同義です。2番目はОб операцииのスペルミス。3番目は正解です。完了体が来ているのは不可能を示しています。
В таком случае ни в коем случае нельзя оперироваться.
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患者からみればということで正解です。