2012年04月08日

●和文解釈入門 第324回

нестиの熟語ではなく単独の使い方がよく分からない。この動詞で思いつくのは、(彼は猫を手に持って運んでいる)Он несёт кошку.や「彼は聖火を持って走っている」Он несёт факел.いう過程の文か、「だれが国旗を持って行進するのですか?」Кто будет нести ваш национальный флаг?ぐらいである。それ以外で、「スーツケースを持って来てください」というなら、Принесите чемодан.のように接頭辞のついたものを使う。ところがпри-という接頭辞のついた不完了体は過程を示すことができず、繰り返ししか表せない。だから(花瓶を持って来てください。気をつけて持って来てくださいね)というときに(これは不完了体のさしみにつまのような用法である)、Принесите вазу. Приносите осторожно.とはいえない。Принесите вазу. Несите осторожно.と言う必要がある。同じことはпривезти, привестиとвезти, вестиについても言える。しかし、これも含めて日常生活であまり使うとも思えない。ほかに何かあるのだろうか?

設問)「千人に一人が読み書きできる」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2012年04月08日 08:04
コメント

Один из тысяч человек грамотный.
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тысячと複数生格にすると何千もの人ということになります。私の答えは、Из тысячи один умеет читать и писать.

Posted by ブーチャン at 2012年04月08日 08:16

Один на тысячу
человека умеет
читать и писать.
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тысячаは主格や対格では複数生格を取り、その他の格ではその核に合わせるので、человекとするか、取ってしまえば正解です。この用法は研究社や岩波にはありますが、最新のアカデミー版では見られず、よく使うものとしてはна душу населения(人口一人当たり)、на одного человека(一人当たり)ぐらいだと思うのでизを使うほうがよいと思います。

Posted by ブーチャン at 2012年04月08日 18:10

Один человек на тысячу грамотный.
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正解ですが、изを使うほうが一般的だと思います。

Posted by asuka at 2012年04月08日 20:44

нестиの単独での使い方と聞いてすぐに頭に浮かんだのは、童話(アニメ)の「屋根の上のカールソン」でした。カールソンが肉団子(тефтели )が好きだと知って、「今台所へ行って取ってくる」って飛んでいこうとする男の子。それを催促するカールソンの、あの特徴的な耳に残るしわがれ声 ---「Неси скорей!(早く持ってこーい!)」。
ここには接頭辞при-がついてませんね。Принесиより、Несиのほうが乱暴な感じがします。口語的なんでしょうか。

設問への試訳です。よろしお願いいたします。
Каждый тысячный человек умеет читать и писать.
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別に乱暴だからではなく、催促だからです。つまり持ってくるということがすでに分かっている段階では完了体は使わずに、不完了体を使うということからНеси!となるわけです。ある意味刺身のつまのような用法です。これに完了体を使うと、文法的に非常におかしい感じがするか、文脈によっては無礼な感じがします。体の用法を適切に使わないと、無礼な感じが出るわけで、文学でよく使われる手法です。Садитесь! の代わりにСядьте!を使うとか、その逆とかで、完了体だから無礼だとか、不完了体なら丁寧だと決めつけるのは、間違っています。状況に応じて適切な体を使わないと、奇妙な感じ、ひいては失礼な感じが出るのです。さてお答えですが、文法的には正しいと思いますが、口語ではこうは言わないと思います。このようにкаждыйを使うのは、каждый второй чеовек(二人に一人)とかせいぜい5人に一人ぐらいまでたと思います。

Posted by 雪のかけら at 2012年04月09日 07:41

① Один из каждой тысячи человек - грамотный.
② Каждый тысячный человек - грамотный.
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正解ですが、1番目のはкаждойは不要です。2番目のは文法的には正解ですが、まず口語ではこうは言わないでしょう。

Posted by メイ at 2012年04月10日 23:39

ありがとうございました。①ですが、「1000人のうち一人が…」は、「1000人ごとに一人(1000人いれば一人は)」という意味ですよね。それならむしろ каждой を入れないと「特定の1000人のうちの一人」という意味にはならないのでしょうか。
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ロシア語には英語と違い、定冠詞がないので、文脈によって理解せざるを得ないのですが、その千人という風に理解するためには、その千人が前の文脈で「千人」という形で出てこなければならず、その場合に、「その千人」をロシア語で繰り返すことはせず、「彼らの一人」つまりодин из нихとします。ですからそういう御心配は御無用ではないかと思います。

Posted by メイ at 2012年04月12日 22:15

ありがとうございました。聞いてみるものですね。勉強になりました。

Posted by Anonymous at 2012年04月14日 02:14
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