2012年03月28日
●和文解釈入門 第313回
まじめにロシア語を勉強すれば一から始めても2~3年で(早い人は1年も経たないうちに)、自分の言いたいことはロシア人に伝わるくらいのロシア語が話せるようになるはずである。しかし相手に理解してもらうというのと、公の場で使えるロシア語を話すというのは別の次元の話である。それでどうするかというと、できるだけ多く、かつ多様なロシア語の例文を覚えようということになる。その例文が頭にあれば自信をもって、使えるのだが、自分の頭にないものを公的な場で通訳・翻訳せよと言われても二の足を踏むことにもなりかねない。語彙をただ覚えればそれで済むというわけではないのである。立ちはだかるのは、体の問題である。他にも単数・複数とか、類語の使い分けなどあるが、体の用法に比べれば楽なものだと思う。体の問題は同じ用例で完了体と不完了体の二つの文を覚えている場合、特に完了と繰り返しの差で説明できない場合、どちらなのか、どちらでもいいのか分からない以上、心の中ではとても怖くて使えないはずだが、実際はエイヤッと使ってしまい、その後もこれでよかったのだろうかという思いがつきまとう。そのため機会があればロシア人に見てもらう事になる。
ロシア語を始めて4~5年してガイド試験も受かったとなると、自信満々のはずだが、それでも話すロシア語に9割方は自信があっても、後の1割に自信がないから、いざとなるとロシア人頼りとなる。お恥ずかしい話だが、私だって、体の用法にある程度の見通しがつき、ロシア人をまったく頼らなくなったのは、この10年、15年くらいだろう。体の用法を会得すれば、後は語彙を覚えるだけだから、機械的な勉強となるから楽である。だから語彙の勉強を続ける前に、できるだけ早く体の用法をマスターした方がよいし、体の用法の勉強をしながら用例を暗記するという実際的な方法もあるのである。回りに親切なロシア人がいる人はそう多くあるまい。
体の用法は仮に9割分かったとしても、使えないと同じである。プロなら大事な場面で残りの1割に出くわしたらと常に考えるものだからである。このコーナーで実際に投稿されている方は、体の用法は本質さえ押さえれば、後は自然におさまるべきべきところにおさまってゆくという感じを持たれるに違いない。
設問)「日本には(火山の)噴火はよくありますか?」
Бывает ли в Японии
извержение вулкана?
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噴火は複数にしないと間違いです。私の答えは、Бывают (ли) извержения вулканов в Японии?
今回は「よくありますか?」という構文を取り上げた。噴火が複数になることに注意。Часты ли (Нередки ли)でもよい。このように有無が不明のものを尋ねるときには、主語が地震землетрясения、強風ураганы、台風тайфуны、洪水наводнения、山崩れгорные обвалы、崖崩れоползни、雪崩снежные лавиныでもみな複数になる。そうではなくて、「死者(負傷者)も出ましたか?」というように具体的な場合について有無を尋ねる場合でも、Были ли убитые (раненые)? と可算名詞は複数形になるし、抽象名詞や物質名詞で複数を取る場合があることは第300回の表で述べた。
В японии часто бывает извержение вулкана?
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これも噴火を複数にしないと間違いです。
В Японии извержения вулканов происходят часто?
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正解です。個人的には単語の順序を変えたほうが自然かなとは思います。ただ「よくありますか?」を強調したかったのかもしれません。