2012年03月18日
●和文解釈入門 第303回
даватьやприноситьは過程の意味を示すことが出来ないと第300回の表に書いた。個人的には予定の意味は過程の意味から派生したものではないかと考えているので、これらの動詞も予定の意味では使えないだろうと思っていた。ところが、Кто даёт олимпйскую клятву?(誰がオリンピックの宣誓をするのですか?)という文を見つけたのである。これは明らかに未来(もっというと予定の用法)である。こうなると、「今宣誓しているのは誰ですか?」という過程(現在進行形)の文はどうなるのだろう?「宣誓する」はこの他に、やや古い表現だがпринести/приносить клятвуとも言う。しかしこの不完了体も過程には使えない。приезжатьはムラヴィヨーヴァ先生曰く、予定の意味使えるというので、これを敷衍して使える可能性もなきにしもあらずである。あるいはдаватьだって、予定で使えるのだから逆の発想で、今や過程でも使えるようになっているのかもしれない。しかし、一外国人がロシア語の用法を類推とはいえ勝手に変えていいはずがない。そこで探しまわったところ、произнести/произносить клятвуという表現を見つけた。Кто произносит клятву?とすれば過程の意味で何の問題もなく使える。しかし、ありふれた表現でも探せば、定説と違うものはいろいろあるのではなかろうか?要は短文でも聞き流さないで、ちょっとでも違うと思ったらメモをしておいて、閑な時に考えてみるとよい。
設問)「優勝チームのタイムはどのくらいですか?」をロシア語にせよ。
(1) Каким должен быть
тайм команды победы?
(2) Какой тайм должен
быть для команды,
завоевывающей
первенство ?
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設問は優勝した(勝った)チームのタイムを聞いているだけです。勝つ(優勝する)チームのタイムがかくあるべきかということを聞いているわけではありません。第一そういうことは、理想論を別にすれば誰にも答えようのないものだと思います。またтаймはサッカーの試合の前半や後半を意味します。私の答えは、Какое время у команды-победительницы?
Примерно какой тайм отыграла команда чемпион?
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「どのくらい」というのを「だいたい」という意味で取ったようですが、記録のタイムは正確が求められますから、примерноは取るべきです。それとтаймはサッカーの試合の前半や後半という意味ですから、времяを使うべきです。動詞を使うとしたら、показать времяというのが普通です。чемпионを使うという工夫は評価できます。ただкоманда-чемпионとハイフンをいれたほうがいいでしょう。基本的に構文は正しいので、このまま使ってもロシア人に通じるとは思います。
① Какое время у команды-победительницы?
② Какое время показала команда-победительница?
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完璧な正解です。
Какое время показала команда-чемпион?
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正解です。