2011年12月27日

●和文解釈入門 第221回

体の用法においてどちらの体を使った方が、その文脈でより適切かということはあるが、それほど絶対的なものではないこともある。その動詞を使う人の意識の問題もあるからだ。その人の当然と思う意識が、回りの人の意識と異なれば、その体の用法が礼を失していると受けとめられることもありし、わざとそういう効果を狙う事も可能である。第二次世界大戦直後にできた歌に「聖戦Священная война」というのがあって、その出だしは、Вставай, страна огромная; Вставай на смерный бой.(決起せよ、広大なる国、決起せよ、決死の戦に)と不完了体命令形が来ているのは、作詞者に決起して当然という意識があるからである。つまり、この動作、ないしはこの動詞を使うのが当然であるとか、自然に出てくるという感覚があるときに、つまり動作が自然体であるというような感覚のいうときに不完了体を用いる。今までは体の用法の学習において、新規の事柄や動作のときに完了体を用いるという完了体主体の指導法だったように思える。私は視点を変えて、完了体のみならず、不完了体の用法の意味に光を当てて、より多面的にアプローチをした方が、体の用法を体得しやすいと考える。
そう口で言うのは簡単だが、実際に使いこなせないと体の用法を会得したとか、その用法を悟ったとは言えないし、悟った思っても、その検証に、また自分なりに納得するのに時間がかかる。その当然とか、自然と言うのがロシア人の感覚と未だ一体化していないとか、その感覚が違うと考える人もいるかもしれない。個人的にはロシア人の感覚も日本人の感覚も本質的には同じだと思うが、その感覚の現れ方がやや違うということはあるかもしれない。ロシア語をやる以上ロシア人のそれに合わせるしかない。第117回の表は細かく作ってあるし、その利用は体の用法を勉強したいという人の好きなように使ってもらって構わないが、私としては、体の用法について大きく本質的なものを俯瞰してとらえ、そのいくつかの頂(体にはいくつかの用法があるが、山体としては一つである)に到達したときに、自分なりにその用法を悟ったと感じた時の検証用として使ってもらえればよいと思う。分かったと思った瞬間から、やっぱりわかっていなかったという別の山の頂が見えてくる。しかし、トライを続けてゆけばいつか分かる時が来る。体の用法を参考書で理解するというのは、例えて言えば外から山を仰ぎ見るだけのことで、山は登ってみなければ、体の用法は使ってみなければ分からないのである。
設問)「ルーシという民族の起源についての論争は、18世紀にミーレルとロモノーソフの間で始まり、現在に至るまで続いている」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年12月27日 07:30
コメント

Споры о нации, так
называемой "Русь"
начались в 18-том веке
между Мирель и
Ломоносовым и даже
до сих пор они
продолжаются.
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正解です。細かいことを言えば、「起源」が訳されていませんが、設問の趣旨はそうところではないのでかまいません。私の答えは、Дискуссия о происхождении народа «русь» началась в 18 в. между Г.Ф. Миллером и М.В. Ломоносовым и продолжается до сих пор.
最初のначаласьはアオリストで動作の起点を示し、продолжаетсяという不完了体現在形は過去から現在までの継続を示す。

Posted by カレヤンカ at 2011年12月27日 09:35

うゎ、やらしい。両方の体が入っとるやん

(問)
ルーシという民族の起源についての論争は、18世紀にミーレルとロモノーソフの間で始まり、現在に至るまで続いている
Спор о происхождении народа по имени "Русь" начался в XVIII веке между Миллером Г. ф. и Ломоносовым М. В., и продолжается до сих пор.

最初のначатьсяが完了体過去のアオリストの用法
次のпродолжатьсяが不完了体現在による継続の用法と考えます。
「議論が続く」はводитьやидтиでも表せそうですが
その場合спорを対格に取る不定人称文となるため、
егоを補ってあげる必要が出てきます。
とはいえ、ミーレルにロモノーソフと男性名が2つも続いた後に
егоを放り込むと混乱の素にしかならないと思います。

ミーレル氏はたくさん引っかかったのでウィキペディアで絞り込みました。
恐らくこの人です:
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9C%D0%B8%D0%BB%D0%BB%D0%B5%D1%80,_%D0%93%D0%B5%D1%80%D0%B0%D1%80%D0%B4_%D0%A4%D1%80%D0%B8%D0%B4%D1%80%D0%B8%D1%85
って、今風に書いたら
ゲアハルト・フリードリヒ・ミュラーになるんかい!
確かにウーウムラウトは u の口の形で i を発音する音やけど…
ロシア語もえらい律儀に音写する言語ですねぇ

北朝鮮の後釜の金正恩もロシア語では
Ким Чен Ынで、元のハングルがなんとなく見えてくる綴りです
(たぶんジョンウンの「ジョ」の母音は縦棒の方の「オ」、「ウン」のそれは横一文字の「ウ」)。
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正解です。

Posted by コーシカ at 2011年12月27日 20:30

Спор о происхождении народа "Русь" начался между Г.Ф. Миллерем и М.В. Ломоносовым в 18 веке и продолжается до сих пор.
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正解です。

Posted by メイ at 2011年12月27日 21:47

Полемика о происхождении народа «Русь», которая возникла между Миллером и Ломоносовым в 18 веке, продолжается до сих пор.
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正解です。ただ民族名は小文字です。

Posted by Ml at 2011年12月27日 22:13
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