2011年11月22日
●和文解釈入門 第186回
同時通訳と言っても露文和訳なら、分野を限定して、語彙を増やすことと聞きとりの練習をすることである程度は可能かもしれないが、和文露訳となるとまずほぼ完ぺきにロシア語が話せるという事が前提となる。大人になってからロシア語を始めた外国人に果たして同時通訳でそういうことが本当に可能なのだろうか?これは瞬時に体や類語の使い分けを決めなくてはならないことを意味する。無論同時通訳をやる前に、事前にテーマの勉強はするだろう。テーマを離れた同時通訳にはならないのが普通だし、使う文体は公的なビジネス的なものだということなのだろうが、かなり難しいと思う。事前に何の準備もせずにこれが出来る人はロシア語を究めたということになるのだろうが、自分はまだとうていそういうところまでは行っていない。
「斬る」はрезатьでもいいのだろうが、Тот ударил его ножом (мечом).(その人はナイフ〔刀〕で彼を切った〔斬りつけた〕)という表現のほうをよく見る。これだとナイフをもって体当たりとか突くなど何でも使えそうだ。また日本語も人の場合は「切る」よりも「斬る」のほうが刃物で相手を傷つけるという感じが出るように思う。рубитьだと「思いっきり」というニュアンスで、斬り落とすに近い感じである。
設問)「だってそれは今に始まったことではない」をロシア語にせよ。
Ведь это началось не вчера.
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お答えは「だってそれは昨日始まったのではない」ということで、結果の存続の用法です。設問は「今始まったことではない」ということです。私の答えは、Это ведь не теперь началось.
Да ведь это же началось не сейчас, а уже давно.
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この表現ではне сейчасは使いません。決まった言い方があります。これは定型表現であり。теперьをсейчасに代えることはできない。その理由は設問の場合現在と過去を比較しているからだと思われます。сейчасにこのような用法はないからです。それとдавноとは設問には書いていないので、和文露訳は自分勝手に付け加えると誤訳のもとです。今じゃないかもしれないが1日前ということはありうることだからです。
Ведь это не снова началось!
考えているうちにどんどんわけがわからなくなってきました。このへんで投稿します。全く自信がありません。
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не теперьとすれば正解です。
こんにちは。今回の設問「だってそれは今に始まったことではない」は、私にとっては、かなりの難問。
「Ведь это не 」までは、書いてみたもののその後が続かなくて諦めました・・・
考えれば考えるほどわからなくなっていった経緯があります。具体的に,たとえば,①隣家との土地の境界線をめぐる争いの場合を考えてみると,争いの発端はおそらく以前に生じたものであり,争いが始まって以来,表ざたにはならないまでも継続して結果が現存しているのではないかと考え完了体にしました。「今に始まったものではない=開始時点に始まった」と考えた次第です。別の例ですが,②誰かの酒癖が悪い例をとった場合は,最初に始まって以来,何度か失敗を繰り返してきて,また今回やってしまったことに対して「今に始まったことではない」と言われているのであれば,第一回目から現在までに明らかな中断をはさみながら何度か同じようなことがあったと考えた場合は不完了体ではないかと考えましたので,だんだんわからなくなっていった次第です。よく考えてみれば①②とも,開始時点があって,今回また何かがあったために「今に始まったことではない」と言ったと解釈すると確かに繰り返しになりますね。まだいまいち自分の中ではっきりしません。文脈に関係なく不完了体ですか?
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過去時制で動詞そのものを否定すれば、完了体では始まるはずなのに始まっていないという期待が裏切れれたというニュアンスが出ますが、不完了体では単なる動作の確認です。この場合は動詞は否定されていないので、結果の存続ということになります。
何度もすみません。
「今に始まったわけではない」と言った側は,蒸し返してきた相手に対し,むしろ「その問題は発生以来現在までずっと続いている」ということを伝えたかったとは考えられないでしょうか。「我々と彼の間に土地問題がある」ということを相手に再確認させるために発したと考えるのは無理があるでしょうか。蒸し返し=繰り返しは理解できるのですが,逆に,蒸し返した相手に対して釘をさすかたちでこの会話がなされたとしたらどうなんだろうとも思えたので,くどいようで申し訳ないのですが投稿することにしました。
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おっしゃる通りです。私の勘違いです。