2011年10月23日
●和文解釈入門 第156回
和文露訳で使える表現の続きで、よく使われる「~のために」という前置詞(句)の類語の使い分けについても類語辞典の解説に添って書いてみる。для + 生格が一般的だが、意識的行動、直接的結果というニュアンスなのでそれを覚えておくとよい。ради + 生格は「他の人のため」というニュアンスが強く、低俗なものには使わず、また直接的なものという感じではない。на + 対格は仕事(работать, работа)と強く結びつき、意識的であり、報酬というニュアンスがある。そのため技術関係でよく見る。за + 対格は「戦う」воевать, сражатьсяやотдать жизнь(命をささげる)という動詞と結びつきやすく、радиと意味が近いが、直接的というニュアンスがある。во имя + 生格はこれもрадиと意味が近いが、自らを犠牲にしてというニュアンスが強く、用いられる対象はグローバルなものであって、во имя будущего поколения (родины)〔未来の世代(祖国)のために〕などであり、総括的なニュアンスがある。そのためво имя человечества(人類のために)の代わりにдляを使うと非常におかしい感じがすることになる。на благо + 生格やво благо + 生格は客観的に利益があるというニュアンスである。さらに加えてво благоは遠い将来の見通しというニュアンスもある。в пользу + 生格は個人(集団、企業、国など)の金銭(物質)的利益のためにというニュアンスで使われる。得られる利益は直接的なもので低俗なものではない。
設問)「彼の設備の(設備を運転する)テクニックはまだまだだ」をロシア語にせよ。
(1) Его техника
управления
оборудованием еще
далеко не доходит
до уровня.
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設備の運転はэксплуатация (работа) оборудованияが普通です。設備は大型の機械のため制御とはなかなか結び付かないと思います。それ以外は意味は通じると思います。私の答えは、Его техника оборудования оставляет желать (много) лучшего.
оставлять желать (много) лучшегоは「改善の余地がある」、「まだまだ不満な点も多い」、「まだまだだ」と訳せる。英語でいえば、leave much (something) to be desired とか Much yet remains to be done. などとなる。和英辞典を活用するというのも一つの手である。
(2) Его уровень
способности
управления
оборудованием пока еще низкий.
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少し良くなりました。ただспособностьにはк управлениюとかをつけるか不定形управлятьにしないと文法的には間違いです。
Техника по управлению оборудованием у него пока ещё недостаточная.
「まだまだ」のニュアンスが出せないのですが…
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техникаは生格を取ります。これでも意味は分かります。あとは語彙の問題ですが、メイさんのレベルでは和文露訳に必要な語彙で、覚えたほうがよいレベルの語彙(句も含めて)はあと100ぐらいで、多くても500ぐらいでしょう。このコーナーをやればそのいくつかは覚えることができると思います。無論露文解釈の語彙は多ければ多いに越したことはありません。
やっぱり。そういう言い回しがあったのですね。техника+生格の間違いなど,ロシア語の
テクニックはまだまだ改善の余地がありそうです。