2011年10月06日

●和文解釈入門 第139回

とても清潔好きな人にハウスダストのアレルギーがあって、発症の原因はこの人がクーラーも掃除をしないとクーラー自体が埃をばらまいているということをテレビで知り、掃除を始めたところ、運悪く積もり積もった埃が頭の上に落ちてきてからだという事をテレビの番組で知った。それほど劇的ではないが、私にもハウスダストのアレルギーはある。たまに市販の薬を飲むくらいだから大したことはないが、この発症の原因については思い当たることがある。多分40年ぐらい前だろうかチェーホフとドストエーフスキーの全集などのソ連の本ををナウカ経由買いだした。当時1冊4000円くらいした。給料が12万円ぐらいの4000円だから決心が大変だったろうと思うかもしれないが、当時は独身だし他に趣味もなかったのであっけらかんとしたものだった。みな立派なハードカバーの本だが、梅雨を過ぎてからある欠点に気がついた。必要もないのだろう、カビ除け処理をしていないのである。そのためカビの綿毛というのか羽毛というのかにおおわれてしまった。ティッシュでふくと緑色である。青カビだったらペニシリンの原料になるのかもなと思ったりもしたが気持ちが悪いので、当時市販のカビ防止剤というの噴霧したりしたがまったく効き目はない。そのうち何年か経ってカビにとっても栄養がなくなったのかカビは生えなくなった。今の私のカビ対策は、上の棚の本にはほこり除けと湿気取りのために古新聞紙を載せ、半年にいっぺんくらい取り替えるぐらいであるが、効果のほどは気休め程度である。だから古い本を読むときは外に出て外側の埃を拭き取ってから、何回か本をバンバンと開けたり閉じたりする。面倒でいちいちマスクなどしないからだいぶ埃を浴びているのだろう。カビを好物にするものにダニがある。この糞とダニの死がいがハウスダストの主原因であるため、これがアレルギーの発症の原因だろうと思う。家にロシア語の本は辞書も含めて1700冊くらいある。その7割は20年前に安い時に(1冊100円くらい)でモスクワなどの古本屋で買ったものである。虫干しすればよいのだろうが、する気も起きない。
つい最近もその40年前に買ったドストエーフスキーの第4巻「死の家の記録」を、これは20年前に呼んだが中身をすっかり忘れてしまっていたのに気づき、ロシアのヤクザや囚人を調べる必要があって読み返した。間の悪い時に、同じような本はまとめて読もうと思って、ソルジェニーツィンの「収容所列島」も読み出した。これは大昔に邦訳で読んだが、これもロシア語で読んだことはないので、30年くらい前に買ってあったのを思い出して読み出したのである。無論2冊とも外で十分はたいてから読みだしたのだが、いまだに鼻がムズムズする。薬は飲みたくないのだが、1年前に期限切れの鼻水止めを飲んだ。普段薬を飲まないのでよく利く。ドストエーフスキーが特に良くない。しかし昔と違って辞書もそろっていることもあってソルジェニーツィンを読むのにも特に難儀はしないが、くしゃみと鼻水が困る。
設問)「家族を取るか、愛人を取るか、どっちを取るかを選べ」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年10月06日 05:54
コメント

(1) Решай кого взять,
любовницу или семью.

(2) Кого ты предпочитаешь
выбрать, любовницу
или семью ?

(3) Определяй кого
брать, любовницу или
семью.
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(1)は正解だと思います。(2)は少し弱いような気もしますが、可能だと思います。(3)のопределятьは定義する、確定するという意味で、決断するという意味では使わないと思います。私の答えは、Выбирай - семья или любовница?

Posted by カジューシャ at 2011年10月06日 08:21

1700冊の蔵書。驚きですが普通の家屋じゃ床が抜けそうですね。

①Выбирай между семьёй и любовницей(любовником).

②Выбери между семьёй и любовницей(любовником).

文脈によって完了体、不完了体どちらでも言えると思います。①はスキャンダルの現場で家族(や愛人?)に囲まれて早く決めろと迫られている風景、②はそれ以外の設定です。
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正解ですが、初めの方と取るのが一般的だと思います。私が不完了体命令形を選んだのは、着手の用法としてです。文法用語では着手だが、この用法の言わんとするところは、この用法を使おうとする話し手の意識の中に、~せよというのが当然だという考えがあると言う事になる。設問を例に取れば、この文言は普通に考えれば妻が夫の浮気を知り、愛人と別れるよう夫に迫ったと考えられる。そうなると、夫が浮気したということを知った時点で、私か愛人かどっちを取るつもりなのか選べという発想が出てくるのは自然であり、だから不完了体命令形が出てくるのである。完了体命令形を使う場面を想像すると、クイズ形式のような仮定の話で、愛人が出来たとして、家庭と愛人のどちらを選ぶのかと聞かれているような感じがする。例えば、不定法ではあるが、Что же выбрать - московскую квартиру, дачу или машину?(モスクワのマンションか、別荘か、はたまた車か一体どれを選ぶべきか?)などもこのようなニュアンスがあると考えた方がよい。
 選ぶという動詞にはいくつかあるが、その使い分けを簡単に説明する。выбратьは他の類義語に比べてより広く使われ、選ぶ対象が一つでも多数でもよい。отобратьは多数のもの、同種のものを選ぶというニュアンスであり、избратьは重要なもの、高価なものを、例えば選挙で使う(書き言葉)。подобратьは何か基準があってそれに基づいて選ぶということであり、補語(目的語)には普通名詞が来るが、Наташаなどというような固有名詞は普通来ない。

Posted by メイ at 2011年10月06日 19:18

しばらく忙しくチェックを怠ってしまいました。少しずつ読み直させて頂きます。

Выбирай, семью или любовницу.

男性に選択をせまっている設定にしました。
簡単にし過ぎでしようか。よろしくお願い致します。
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正解です。簡単に訳すというのが難しいわけで、それがすぐできるのであれば和文露訳のレベルはかなり高いといえます。和露を引いて難しそうな単語をもってきてもロシア人からは首をひねられるということが多々ありますから、一見簡単そうな露文というのはロシア人から見れば当たり前の文であり、外国人のロシア語と気付かれないわけ、ある意味では最高の境地だと私は考えています。通訳も黒子と同じで目立ってはいけないというのと同じだと思います。

Posted by みなみ at 2011年10月06日 23:37
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