2011年10月01日
●和文解釈入門 第134回
日本人でロシア語の体の用法を間違わない人がいたとしたら、幼少時代をロシアで暮らしたバイリンガルだけであろう。早くても二十歳前後からロシア語を始めた人で、理詰めで説明できないが、感覚的に体の用法を80%ぐらいは正しく言えるという人はたまにいるだろう。こういう人は残りの20%がこのコーナーの例文のどれなのか分かれば、それを読んでそこだけ理詰めに理解すればほぼ100%間違えなくなる。また100%間違うという人はいないだろうが、いたとしたら、それはそれで、逆の発想をすれば100%正解となるわけだから簡単である。普通は50%、50%で、山をかけると外れるという最悪のパターンである。こういう人は第100回の表を読めば、少しは当たる確率が上がるかもしれない。この表もほぼ毎日手を入れてあるので、100回当時とは違ってきている。
酒を相手に注ぐ時や、車をバックさせるときなど、そのくらいでいいです〔OK〕と返事する場合があるが、これにはдостаточноという意味で、口語ではХорош.を使う。口語辞典では力点は後ろのoでも、前のoでも正しいことになっているが、個人的には後ろの方をよく聞くような気がする。
設問)「今もあなたは間違っているという考えに変わりはありません」をロシア語にせよ。
(1) Моя мысль о том, что
вы ошибаетесь даже
сейчас же не
изменяется.
(2) Мой взгляд о том, что
вы не правы до сих пор
не изменен.
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これでも分かると思いますが、Не изменяется моя мысль...とかНе изменен мой взглядなど動詞を先に持ってきた方がすっきりすると思います。私の答えは、Я продолжаю думать (считать), что вы неправы.
「今も間違っていると思う」と訳してもよい。前回の回答で述べたことは、продолжатьとдуматьやсчитатьの組み合わせにおいて、一人称ないしは意見の主体が主語に立つときにもあてはまる。これはたんに心の状態の継続ではなく、知り得た事実や対立する状況に反しての意志的な行為なのである。
Моя неизменившаяся
мысль о том, что вы
ошибаетесь даже
сейчас остается.
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上記の訳は「私の変わらなかった考えは今でもそのままです」ですから「変わらなかった」の部分は不要だと思います。
第100回のまとめ、ありがとうございます。時々読み返しながらチャレンジしたいと思います。
回答です。
①И сейчас я думаю, что вы не правы.
②По-прежнему я считаю, что вы ошиблись.
最初①だけの投稿にしようかと思ったのですが、「今もあなたはまちがっている…」ということは「以前に間違えてそのまま間違ったまま今に至っている」と考えると結果の現存の完了体が使えるのではと②を追加しました。
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どちらも正解です。иを前に出して強調という意味を持たせたのもよいと思います。ошибатьсяの類の動詞は評価伝達の動詞として第27回に紹介しましたが、不完了体現在形と完了体過去形の意味が接近する動詞なので、そういう意味ではどちらを使ってもいいのですが、不完了体現在形の方が用例が多いような気がします。