2011年09月14日

●和文解釈入門 第117回

маленькийには絶対的な大きさの標準として人間(の身長)が使われ、相対的なものとしては同じようなグループの中において大小を見るとシノニム辞典にある。холодныйも基本的には室温(これは体温では表現できないからだろう)より温度が低いということであり、тёплыйは体温に近い温度、горячийは体温よりかなり高い(水の沸点近い)というのが基本的にあるという。室温は技術用語では摂氏20度ぐらいと考えてよい。тёплая водаは「ぬるい湯」と訳すか、「温かい(ぬるめの)水」とするかいろいろあるだろうが、тёплая вода в реке(川の温かい水)とтёплая вода в ванне(風呂のぬるめの湯)では当然日本語では訳が異なってくるが、ロシア語の基本的な意味を理解していれば訳には困らない。初級者ではやむを得ないが、露和辞典というのは、代表的な和訳を挙げているのであり、文脈によっては訳を変えた方がよいと思われる場合も多々ある。その時に露露辞典を引けば理解しやすい場合もある。だから中級者以上では露露辞典を使えるようになればロシア語のレベルを大幅に上げる道が開かれたということになる。
「宇宙飛行士」のкосмонавтはソ連やロシアので(秋山豊寛、菊池涼子はこの名称で呼ばれるのだろう)、астронавтは欧米や米国、日本のであり、中国人宇宙飛行士はтайконавт (юйханъюань)、マレーシア宇宙飛行士はангкасаванである。この他にзвездолётчик, космолётчик, звездоплавательはSFに出てくる宇宙飛行士である。「作品」はпроизведениеだが、口語では絵画、彫刻、文学作品、楽曲などをработа, вещьという。「車のレーサー」はгонщикやавтогонщикでよいが、F1やラリー、ボブスレーではпилотを使い、пилоты «Формула-1» F1レーサーなどという。シンバルはтарелкиであって、цимбалыは弦楽器を意味し、2本の撥で演奏する。
設問)「鋼の炭素の含有量は何パーセントにする必要があるか?」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年09月14日 16:51
コメント

今回はパラショーノクさんの例にならって幾つかあげてみました。ご教示お願いします。
① Сколько процентов должен содержать углерод в стали?
② Какой должен быть процент углерода в стали?
③ Какое процентное содержание углерода нужно в стали?
④ Сколько процентов приходится на долю углерода в стали?
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基本的に通訳する場合は1~3でも通じますし、正解としてもよいのですが、これらは「あるべきか」であって、設問は「するべきか」でそこをどう表現するかだと思います。4は「一般に~に相当する」ということですから設問の趣旨とは合いません。私の回答は、До какого процента нужно довести содержание углерода в стали?

Posted by メイ at 2011年09月15日 01:19

(1) Какой процент
углерода должен
содержиться в стали ?


(2) Каково должно быть
процентное
соотношение
содержания углерода
в стали ?
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まあこれもメイさんと同じような答えで、正解といえば正解ですが、すでに鋼があってその鋼の炭素含有量を聞いている感じです。設問はこれから炭素含有量をいくつにしようというものです。

Posted by カジューシャ at 2011年09月15日 05:49

ありがとうございました。
私の選択肢の中には довести до はありませんでした。
おおいに勉強になりました。

それでは、下記はどうでしょう。
Как следует установить процент содержания(процентное содержание)
углерода в стали?
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установитьは計器に従ってпо прибору値を調整するとか、日付や期間を決めるとは使いますが、содержаниеにはопределитьを使うほうがよいと思います。следуетは省いても意味に変わりはありませんし、この場合は省くのが普通です。как + 不定形というのは英語の how to doと同じで、方法を聞いていることになります。ですからご回答は「鋼の炭素量は如何に決められる(決定される)か?」ということで公式とか計器について尋ねていることになり使えないと思います。Какой процент содержания углерода в стали поставить?としてもよいかとは思いますが、主語が重くなりすぎるので避けた次第です。

Posted by メイ at 2011年09月15日 09:11

(訳)
鋼の炭素の含有量は何パーセントにする必要があるか
1) Сколько процентов требуется на содержание углерода в стали?
2) Сколько процентов требуется по содержанию углерода в стали?

・前置詞がないと意味が通じなさそう…
 でもいまいち自信が持てないので2パターンでいきます
・構文は下記の例文を参考に組み立てました:
Сколько вам потребуется времени, чтобы закончить работу?
この仕事を終えるのに何時間かかるだろうか
(研究社2,370頁、требоваться)

さて、正解は
довести до какогоですか!思いもしませんでした…
довести температуру до ста градусов. 温度を100度まで上げる
(研究社482頁、довести;岩波393頁、同)
これと同じ構文、と理解します。
определитьもやっぱり使えるんですね。「どれくらい」との絡みで脱落しましたが敗者復活。
調べる過程で思いついた単語で別の例も考えてみます:
3) Сколько процентов нужно определен содержание углерода в стали?
4) Сколько процентов нужно составлять содержание углерода в стали?

・いずれの動詞も前置詞なしの対格要求のようです
・Какой процент...で始めてはわかりにくいかと思い、
 Сколько процентов...を使っております

ついでに英語も考えてみよ…
平:The carbon content of the steel must (or has to) be ... %.
疑:What percentage of carbon content must (or has to) be in the steel?
そうか、ややこしい疑問文の場合は平叙文に戻して考えたら良かったんか。
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全部例文を不完了体現在形にしているのはなぜでしょう。設問は新しい鋼種を作るため、ないしは既存ではない何かの目的にふさわしい鋼の炭素量を求めていると考えるべきです。とすれば完了体が出てくるはずです。3)は被動形の現在時制ですが、これでだとすでにできている(結果の現存)ですから、определитьとした方がすっきりします。нужноにбудетを入れるとまどろっこしい感じがします。このコーナーの趣旨は体の用法の目印を自得してもらうためのものです。和文露訳というものは基本的に動詞を決めなければいけません。それを自動的にしてしまうという癖は何としてもなくして、どちらの体を使うべきか意識的に考えるというふうにしてほしいと思います。

Posted by コーシカ at 2011年09月21日 00:53

>設問は新しい鋼種を作るため、
>ないしは既存ではない何かの目的にふさわしい鋼の炭素量を求めている
>と考えるべきです。とすれば完了体が出てくるはずです。
そうでした!
辞書の例文にあまりに不完了体が多いので引っ張られてしまいました。
目安は教えていただいているのですからもっと自信を持ちます。

ありがとうございました。

Posted by コーシカ at 2011年09月29日 23:06
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