2011年09月13日

●和文解釈入門 第116回

на + 対格(時間を示す〔数詞 + 名詞〕)で予定を示す時に、全部の動詞や名詞が使えるわけではない。参考までに使える動詞や名詞などを挙げる。動詞は基本的に完了体を用いる。動詞はвзять под защиту, зайти, затемниться, затянуться, лечь, оставить, остаться, прекратиться. приехать, присесть, спуститься, уехать, улететь, хватать, хватитьなどで、副詞・形容詞はдостаточно, достаточный、名詞はзапас, план, погода, провиант, прогноз, программа, работаなどである。動詞が他動詞なら被動形過去でも使える。不完了体が使えるとしたら、繰り返し、否定、歴史的現在の用法である。Он улетел на целый день.(彼は丸1日の予定で飛行機で発った)、Левитан уходил на неделю, на две из дому.(レヴィタンは1、2週間家を空けることがあった)、Ваня шёл впереди, а Биденко – на шаг сзади, ни на секунду не спуская с мальчика глаз.(ワーニャが前を歩き、ビジェンコが1歩後ろを、少年から一瞬も目を離さずに歩いた)。この場合否定文で完了体を用いても問題はない。これはниやодинとともに完了体を用いて否定の強調する場合に完了体が使われるからである。
「隙間」はпромежутокでпромежуток между стеной и шкафом(壁と箪笥の隙間)などと使い、もっと狭い、ぴったりに近いものとものと隙間はзазорといい、割れ目や自然に開いた細長い孔(隙間)はщельという。内部にある空隙はпорыと複数を使うのが普通である。「もの」はпредметとвещьがあるが、前者は具体的なもの、ないしは抽象的なもの(状況や事実など)で、「こと」とも訳せる場合もある。後者は具体的なものであって、かつ人が使うものであり、抽象的な意味ではあまり使わない。「身体、体」は訳語としてорганизмとтелоが考えられるが、организмは肉体的精神的性質の総体であり、телоはорганизмが外形として現れたものである。だからпопасть внутрь тела человека(人体の中に入る)と言うし、части телаは体の各部(手足など)と外側であり、「薬は体によって摂取される」はЛекарство осваивается организомом.であって、теломだとおかしいことになる。なぜならтелоは体の外側という意味だからである。それゆえОрганизм человека содержит воды около 65%.(人体のおよそ65%は水から成る)という表現もある。
設問)「彼女は字が読めなかった」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年09月13日 05:18
コメント

(1) Она была неграмотная.

(2) Она не могла читать
буквы.
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両方とも正解ですが、細かく言うと、(1)はОна была неграмотной. Она была неграмотна.でもいいのです。お答えのように形容詞が主格であれば、ずっと文盲だったというニュアンスが、造格ならある期間文盲だった、短語尾ならその時は文盲だったという感じです。(2)のご回答のмочьは意味がやや広く、そのとき目を怪我して読めなかったというニュアンスにもとれます。それで文盲であるという意味を出したいときは、私の回答であるОна не умела читать.のようにすれば文盲だということがはっきりします。無接頭辞の基本的な動詞には能力(~できる)という意味があるものがあります。читатьなどもそうなので、露露辞典で基本的な動詞を復習するというのも大いに勉強になります。ただ多義(読める、読む、読んでいるなど)なので、意味を明確にするためにはуметьなどを使う事があります。またуметьの後には不完了体不定形が続くのが普通です。これは修練による技能を示すので取得に時間がかかるからでしょう。мочьがこの意味のときも不完了体の不定形が続きます。

Posted by カジューシャ at 2011年09月14日 15:33

(訳)
彼女は字が読めなかった
Она не умела читать.

「字が読める」というのは「手習い」というくらいですから(あれは書く方でしょうけれども)
「(ある能力を習い覚えた結果)…できる」のуметь。
「字が読める」は下記の例文を見る限りчитатьの一語で事足りそうです:
Этот ребенок уже читает. この子はもう字が読める
(研究社2,622頁、читать)。

さて、正解は
おぅ、ドンピシャ!

一時的に読めなかった場合も考えてみました:
(訳)
眼鏡が壊れてしまっていたので、昨日彼女は読むことができなかった。
Вчера она не смогла читать, ведь ее очки сломались.

この場合は、読むという一般的な動作が一時的にできなかった状態なので
смочь+不完了体不定形、が適すると思われます。

Posted by コーシカ at 2011年09月20日 00:14
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