2011年09月08日

●和文解釈入門 第111回

телеательеというのは辞書を引けば「テレビの修理店」とある。これは日本にはない。テレビが壊れたら(まず壊れることはないが)、販売してくれたところか、メーカーに連絡するのが一般的だ。ところが、ソ連時代のテレビは買ってすぐ何回か壊れる。ひどいのになると火を噴いたりした。何回か修理して(鍛えて)ようやくまともになるというのが、住宅や家電に対するソ連人の考え方だった。体の用法や類語の使い分けも同じで、説明を聞いたり読んだりすればなるほどと思うが、実際に会話で使おうとすると、又どちらの体を使えばいいのか分からなくなる。用法を深読みしたり、読みが浅かったりの繰り返しである。用法が日本語で書いてあるといっても自分で何回も会話で使ってみないとものにはならない。しかも体の用法の参考書だって露文解釈についてであって、和文露訳用ではないから頭の中でひっくり返す作業が必要である。分からなくなったらまた基本に戻る、この繰り返しをすることで、ソ連のテレビのように、顔から火が出るような思いをする回数が減る。だから恥をかくことを恐れない。そうすればロシア語はうまくなる。恥をかくことでは赤恥を何度もかいたから言うわけではないが、黒帯どころか赤帯である。恥をかくのに黒帯どころか、赤帯になるのも覚悟するくらいでないとロシア語はうまくはならないと思う。自分の頭の中だけで分かったつもりになっても、本当に理解したと言えるのは初心者が分かるように説明できて初めてその用法をマスターしたと言えるのではないかという気がする。それがこのコーナーを始めたいくつかのきっかけの一つである。やってみて、逆に教えられることが多いというか、ロシア語の学習のアプローチの仕方はいろいろあるのだなと痛感する毎日である。
設問)「遊びにおいでと言われているんだよ」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年09月08日 05:26
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(1) Мне предлагают
приходить в гости.

(2) Я приглашен
заходить к ним.

(3) Меня приглашают
прийти в гости.
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(3)は正解です。(1)と(2)は具体的1回行為なので、不定形を完了体にすれば正解です。私の答えは、Меня пригласили в гости.
職業、地位になることを示すв + 複数対格(複数主格と同形で古形)は広く使われており、выбирают в жёны ту девушку(その娘を嫁に選ぶ)とか、Он дважды неудачно баллотировался кандидатом в депутаты.(彼は2度代議員選挙に落選した)などがある。この他にも、Он пошёл в актёры.(彼は役者の道を進んだ)、Я хочу пойти в учителя.(教師になりたい、教師に道を進みたい)、Он был избран в депутаты.(彼は議員に選ばれた)、произвести кого в полковники(~を大佐に昇進させる)、выйти в люди(一人前になる)、взять кого в помощники(助手に採用する)などがある。同じように職業や地位にあるという状態を示すには в + 複数前置格とすればよい。быть в помощниках(助手である)、жить в работницах(女中として働く)などである。
 приглашать/пригласитьも遂行的動詞と言える。現在形で動作の遂行を意味するからだ。
(Мы) приглашаем вас на конференцию.(会議〔国際会議などの代表者会議〕にご招待申しあげます)とか、(Я) приглашаю вас пойти в кино.(映画に招待するよ)という。この意味で、(Мы) хотели бы (хотим) пригласить вас на конференцию.とか(Я) хотел бы (хочу) пригласить вас пойти в кино.としても同義である。不定形はともに具体的1回行為なので完了体が来ることに注意。もしこれが毎朝遊びに来いという文脈なら不完了体の不定形を使うだろうし、いつでもвсегдаなら例示的用法なので、完了体不定形となる。

Posted by パラショーノク at 2011年09月08日 05:57

(訳)
遊びにおいでと言われているんだよ
Мне говорили, чтобы я пришел(-шла).

誰に言われたのか特定できひん…
というわけで、下記の例文を参考にしました:

Нам говорили о вас только хорошее.
あなたのことでは私は良いことしか聞かされなかった。
(研究社376頁、говорить)

мне говорили (, что... )
私は…を聞かされた(…と聞いた)
(ЗиР119頁、同)

動詞が不完了体の過去なのは、
今現在、招待の言葉を聞いているわけではないし、
結果の現存とも考えにくい、と思われるからです。
過去において何度か招待されているのかもしれませんし、
また招待されているという事実を強調しているとも考えられると思います。

さて、正解は
え~Меня пригласили(Меня приглашают)でええんですか!
いっそприглашатьを使たろかしらん、との思いをぐっとこらえて
「言われている」を一生懸命考えたのにショック…
とはいえ、おかげでприглашатьは対格を取る、というのを確認できました。
この動詞で逃げておった場合は与格にして×だったでしょうから…

>職業、地位になることを示すв + 複数対格(複数主格と同形で古形)
>同じように職業や地位にあるという状態を示すには в + 複数前置格とすればよい
ある職業、地位という状態に"入る(対格)"、"入っている(前置格)"
という意味合いなのでしょうね。
職業や地位を表わすこと自体は造格でもいけそうに思いますが、
対格と造格ではどのように異なるのでしょうか。

城田文法中・上級編にて造格の用法をさっと確認しました
(ちゃんと読むと徹夜になりそうです…)。

造格の場合、状態の変化がポイントのように思えます。

Директор решил сделать его своим помощником.
所長は彼を助手にしようと心に決めた。
(城田俊『現代ロシア語文法中・上級編』東洋書店、2003年、51頁)

状態を表わすにしても、変化の結果としてのそれ、という扱いのように読めました。

Иван работает программистом.
イヴァーンはプログラマーだ。(同書53頁)
Анна поступила в редакцию секретарем.
アーンナは秘書として編集部に入ってきた。(同書53頁)
Я решил назначить вас начальником нового отдела.
あなたを新部局の部長に任命することにしました。(同書55頁)

そのせいか、過去形の文においては、過去における状態を表わすために使われているようです。

Он был учителем.
彼は教師をしていた。(同書57頁)

Posted by コーシカ at 2011年09月12日 00:28
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