2011年09月07日
●和文解釈入門 第110回
初めに入社したのは小さな商社で造船関係の通訳見習いの様な事をさせられた。そのとき現場で通訳のミスから右舷と左舷の水密ドアを間違ってつけてしまい、100万円の損を出したという話を聞いた。兆とか億というのは想像外だが、100万円というのは個人で想像できるうちで最高の金額である。それでこういう技術通訳やビジネスの通訳には一層慎重になったことを覚えている。外務省で国家的な通訳も、ビジネスで何億ドルの商談をしている通訳もいると思うが、通訳の緊張感は変わらないと思う次第。
昔小松政夫の「しらけどり音頭」というのを懐かしのメロディーかなんかでやっていて、別に面白いと思ったわけではないが、Тихий ангел пролетел.という古いロシア語の言い回しを思い出した。これは座に沈黙が続いた(座が白けた)ときに言うセリフで、さまぁーずなら「何か言えよ」の類である。古い言い回しなので、現代ロシア語ならさしずめ、Медведь сдох (где-то)!とかМилиционер (мент) родился!というのだろう。
設問)「守りは難攻不落の要塞と呼べる代物ではなかった」をロシア語にせよ。
(1) Защита была совсем
не похожа на
неприступную
крепость.
(2) Защита была совсем
неподходящей в
качестве неприступной крепости.
(3) Защита была совсем
не та, как
неприступная
крепость.
-----------------------------------------------
全部分かりますが、(1)が正解です。(3)はне та, чтоでしょう。私の訳は、Оборона совсем не напоминала неприступную крепость.
не напоминать = не похожий на + 対格、「~似ても似つかぬものだ」という意味にも使える。
(訳)
守りは難攻不落の要塞と呼べる代物ではなかった
Что касается защиты, то было трудно назвать неприступной крепостью.
さて、正解は
なるほど~
「まったくもって…を思わせない」と考えるのですね。
そう考えると自分の回答ではちょっと弱いというか、若干柔らかめというか…
---------------------------------------------
「~と呼べない、~と言えない」というのにне называтьを使うのは自然な発想で間違いではありません。ただтрудноをつけた場合は不可能に近くなるのでコーシカさんのように完了体不定形をとります。無論трудноでも不可能という意味ではないときは不完了体不定形を取ります。Заглушать боль еще не называется лечить болезнь.(痛みを止める事が病気の治療とは言えない)となりますし、この他にも、Без музыки не свадьба.(音楽がなければ結婚式とは言えない)とか、
С детьми не отдых.(子供といると休みとは言えない)などという表現があります。
>трудноをつけた場合は不可能に近くなるので
>コーシカさんのように完了体不定形をとります。
>無論трудноでも不可能という意味ではないときは不完了体不定形を取ります
可能/不可能の表現における体の違いによる意味の違いをもうちょっとちゃんと理解しよう、
と第12回(と辞書のмочьと城田文法などなど)を読み返しました。
余計分からんよぉになってもた!Я не пойму.です。
どうやら体の問題のよう。『体の用法』をちゃんと読まんとな…
何がどう分からんのかも整理できていないので、
もう少し頭がまとまるまで、可能/不可能の露文を意識して見るようにします。
ありがとうございました。
-----------------------------------------
推測するところ二つ問題があって、一つはмочь/смочьの違い。これは完了体と不完了体の違い(現在時制と未来時制の違い、過去においては可能性(できたのにしなかったか、したか)についてでで、もう一つは、мочьに完了体不定形が来る(可能性、危惧の念)のは分かるが、不完了体不定形が来た場合の意味。不完了体不定形はуметьと同じ意味で、修練による技能習得です。これには長い時間がかかるので不完了体不定形が来るのだと思います。