2011年08月25日

●和文解釈入門 第97回

「赤軍記者グロースマン」(アントニー・ビーヴァー、川上洸訳、白水社、2007年)は後に作家として有名となったグロースマン(1905~1964)の独ソ戦従軍について書かれたもので、独ソ戦の全体がよく分かる好著である。この中に発砲率理論というのが注に出ていて、第二次世界大戦中米軍の兵員の発砲率は15~25%であり、つまり75~85%は戦闘中に敵に対して銃を発砲しなかったとある。普通の人が人を殺すというのはそう簡単ではないことが分かる。かといって弾だけ撃ってごまかすというわけには実戦ではいかなったろう。弾を無駄にして、もし接近戦になって弾切れだったらどうしようという恐怖感を考えずにはいられないからだと推測する。ソ連軍でも60%の兵は弾を戦闘中にまったく撃たず、上層部では戦闘の後、小銃を上官に部下が弾を撃ったかどうかチェックさせたという。この発砲率はシュミレーション訓練により、つまりゲーム感覚を取り入れた訓練によりベトナム戦争以降では米軍においては95%に伸びたという。コンピューターゲームの殺人ゲームなどで訓練すれば、心理的な負担なしに簡単に人を殺せるようになるという事なのだろうか?ついでにいうと日本軍でもそうだが、ソ連軍でも部下に憎まれた上官は後ろから(つまり部下から)撃たれるということも大いにあり得たという。
設問)「機械試験の結果の報告をご案内申し上げます」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年08月25日 08:16
コメント

(1) Позвольте
известить Вас о
результатах
испытаний
оборудования.

(2) Мы просим Вас
ознакомиться о
докладе по результатам
испытаний
оборудования.
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お久しぶりです。二つとも文法的には正しいのですが、かなりお役所的な硬い文章です。それと機械試験は言い方が決まっていて、上記の答えだとある特定の設備の試験という意味になります。機械試験というのは衝撃試験、伸びの試験など、機械的負荷を与えるテストをいい、電気試験などとは区別されます。不定形を答えに使っていますが、それだとお答えのように完了体を使います。これは不完了体現在形を使ってもできます。私の答えは、Сообщаем вам результаты механических испытаний.ないしは、Сообщаем вам о результатах механических испытаний.
сказать, рассказать, сообщатьなどの後に、対格が来る場合とо + 前置格が来る場合があるが、その違いを理解している人はあまりいないと思われるし、せいぜいのところо + 前置格なら、「~について」と付け加えるくらいかもしれないので簡単に書いておく。この違いは対格なら「すべての情報」を、о + 前置格なら「全般的な(かいつまんだ)情報」を伝え、設問の例でいえば、対格は全部の結果を、о + 前置格は全般的な結果の情報を伝えるというニュアンスの違いがある。このсообщать/сообщитьは遂行的動詞の一つであり、その用法(不完了体現在形)については第21回の本文の1)のところで述べてあるので参照されたい。

Posted by パラショーノク at 2011年08月25日 11:00

сказать, рассказать, сообщать の後にはほとんどо+ 前置格を使っていましたので,いまさらですが勉強になりました。

Posted by メイ at 2011年08月26日 23:19

(訳)
機械試験の結果の報告をご案内申し上げます
Сообщаем Вам об отчете результатов механического испытания.

さて、正解は…
やっぱり機械特性を調べる方の試験ですね。
http://www.miura21.co.jp/shiken.htm

結果も試験も複数でええんですね、しもた…
отчетは不要でしたか。
和文を見て冗長やなと思いつつも、自分も冗長に訳してしまいました(笑)。

>сказать, рассказать, сообщатьなどの後に、
>対格が来る場合とо + 前置格が来る場合がある
>対格なら「すべての情報」を、
>о + 前置格なら「全般的な(かいつまんだ)情報」を伝える
>というニュアンスの違いがある。
全然知りませんでした!対格を取れるんですね~

Posted by コーシカ at 2011年08月28日 12:24
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