2011年08月13日

●和文解釈入門 第93回

露文解釈の勉強にはできるだけ多く語彙を覚えるのが必要だが、和文解釈の場合は、量よりも質が重要である。会話で使われる頻度の高い語彙とその語義の理解の深さが問われるのである。だからよく使う、いわゆる基本語彙を露露辞典で徹底的に引くようにするとよい。何か新しい発見が必ずあるはずだ。また口語表現も重要であり、これはこれまでのロシア語の参考書では軽視されてきた分野でもあるが、これは研究社、岩波、コンサイスの露和では難しかろう。専門の露露の口語辞典を買う必要がある。どんものがあるかについては「ランポポー」を参照願う。
 アトリエは芸術家(画家、彫刻家など)のはмастерская, студияといい、ательеはほとんどこの意味では使われない。ательеというのは個人の注文を受ける街の裁縫屋さん・靴屋さん(縫製をする)をいい、時計や金物の修理屋さんはмастерскаяという。写真屋さんはфотостудия, фотоателье, фотосалонなどという。
 ポスターでも選挙ポスターはпредвыборные плакатыといい、映画のポスターはкиноафишаである。つまりコンサートなどの催し事についてはафишаを用い、標語などはплакатを使う。「巣穴」はнораは出入口がたくさんあるもので、アナウサギ、狐、クロテンなどのものを、логово (логовище)は虎や熊のを、берлогаは熊のを指す。
設問)「切手が曲がって貼ってある」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年08月13日 05:53
コメント

(訳)
切手が曲がって貼ってある
Марка непрямо наклеилась.

切手が貼り付いている、と考えました。
結果の存続と考え、完了体過去を用いました。
曲がってをどうしようか悩みましたが、
искажениеでは空間的に歪んでそうに聞こえるし、
(そんな語があるのかは知りませんが)
невертикальный
негоризонтальный
では厳密に過ぎる…
наклоняくらいか、とも思いましたが、
まっすぐ貼ってない、と考えました。
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正解です。ただこのように受身であることがはっきりしている場合、結果の現存なら被動形過去形を使うべきです。他動詞なら被動形過去形はありますが、他動詞の完了体にсяをつけて自動詞の意味になるものはそれほど多くないからです。наклеитьсяもだれかが貼り付けたというよりは、主語(切手が)自体がどう貼りついたか(主語の性質を表現する)ということであって、動作主(人)を意識しない表現です。私の答えは、Марка наклеена косо.
被動形短語尾の結果の存続の用法の復習である。

Posted by コーシカ at 2011年08月14日 18:48

そういえば形動詞も口語で結構使われている、という話を大学で耳にしました。
とはいえ自分から使うにはまだまだ語感が追いつきません…

ご説明ありがとうございました。

Posted by コーシカ at 2011年08月22日 23:22
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