2011年08月08日

●和文解釈入門 第90回

日本語が無意識のうちにロシア語に訳せるようになることを目指してロシア語を学んでいる学習者も多いと思う。かつては私もそうだったが、ロシア語を始めてから数年経ってあきらめた。こういういわゆるロシア語と日本語のバイリンガルというのは幼時にモスクワや樺太に住んでいた日本人、ないしは幼いころ日本に住んでいたロシア人とか、片親がロシア人であるとかいう特殊な状況にあった人以外は無理だと思う。日常会話を除けばバイリンガルでもロシア語が出やすい場面、日本語が出やすい場面というのは違うはずだし、自分の言葉ではなく他人の言葉を通訳するには訓練が必要なはずである。もっともその訓練たるや我々に比べはるかに楽であろうけど。絶対音感を育むとか、プロとしての芸事を習い始めるのも6歳からというのもそういうことによる。バイリンガルの欠点というのは自己完結型で、その秘芸を人に教えることが出来ないことにある。本人がなぜバイリンガルになれたか、自然にとしか言いようがないだろう。私はロシア語を初めて40年になるが、挨拶や、一部のフレーズが無意識にロシア語で出ることはあるが、体の用法などは意識して使っている。普通ロシア語を学び始めるのは二十歳前後からで十分大人になってからである。そういう人たちには半年ほどは丸暗記はやむを得ないにせよ、それを過ぎたら文法も含めて理詰めの勉強法を教える必要がある。それが運動の動詞、体の用法、類義語の使い分けである。そうでないと挨拶や決まり文句から先には進めない。つまりロシア人と会話が出来ないからロシア語を続けようという意欲がわかないという悪循環に陥る事になる。
設問)「事態を何とかしようと彼らは市長に訴えた」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年08月08日 11:43
コメント

(訳)
事態を何とかしようと彼らは市長に訴えた
Чтобы справиться с ситуацией, они обратились к мэру с жалобой.

чтобы は後ろでもよいような気がしますが…
・主節の主語 они と、 чтобы 以下の従属節の主語は同じなので、
 справиться は不定形にしています
・事態がなんとかなるのはこれから先なので、
 未来の意味を持たせるために完了体 справитсяを用いました
・ обратиться も結果の現存と考えて完了体過去にしました
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正解です。порешить с ситуациейも使えると思います。с жалобойはない方がいいと思います。必ずしも苦情と決めつけることもないと思います。私の答えは、Стараясь спасти положение, они обратились к мэру.

Posted by コーシカ at 2011年08月08日 22:40

ありがとうございます。
С просьбой でもいいかもしれませんが、今度は意訳しすぎかもしれませんね。

Posted by コーシカ at 2011年08月14日 19:29
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