2011年08月31日
●和文解釈入門 第103回
この5~6年前に比べると自分のロシア語の実力が格段に上がったと思う。それは何冊かロシア語関係の本を書いて自分なりにロシア語に対する考え方を整理できたこと、昔のよい参考書を読み返した事、あらたな良い参考書にめぐり合ったことなどが挙げられる。歳を取っても勉強を続ければそれだけ得られるものはあると思う。もっとも80点の人が90点に実力を上げるのは、95点の人がそれ以上を目指すのに比べれば楽だということもかもしれない。上を目指せば限りがない。それと聞き取りの反射能力とかは若い時に比べれば落ちているのかもしれないが、それを経験が補ってくれているのか、図々しくなってきたのか、より無神経になったのか、はたまた回りが敬老の精神を発してくれているのかは分からないけれども。まあ善意に解釈すればよいと思っている。
Архангельские былины «Погребение Святогора», Григорьев А.Д., 1910 от сказителя В.П. Аникееваの一部を紹介する。発音どおりに書かれたбылинаである。
Он ф третей зашол: Олёшенька Попович же,
И фсе тут три богатыря от сна встали же,
Они встали, со Святогором поздоровались;
Они пили напитоки сладкия
И закусывали ясвами сахарными,
- Мы куда же теперь,браццы, будем путь держать,
Будем путь мы держать да куда ехати? –
- Мы поедём в роздольицо шырокоё
И ф том же роздольи ко синю морю
設問)「目覚ましを朝6時にセットした」をロシア語にせよ。
(1) Я зафиксировал
будильник на шесть
часов утра.
(2) Я поставил
будильник на шесть
часов утра.
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(2)が正解です。фиксироватьは、固定する、保持する、記入する、記録する、示すという意味はありますが、時間をセットするという意味はありません。私の回答は、Я поставил разбудильник на шесть часов утра.
「目覚ましが鳴らなかった」はБудильник не зазвонил.これは目覚ましは鳴るのが当然ということで、これが鳴らなかったというのは期待に反しているわけで、そのため完了体の過去の否定形が用いられることになるわけです。
Будильник
настроился на шесть
часов утра.
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Настороил будильник на шесть часов утра.なら可能性はあります。ただнастроитьсяなら自動詞で、受身の意味(誰かにセットされたという意味)にはならないでしょう。いずれにせよнастроитьは調整するとか、センサーやトランスミッターを前もってセットするという意味で使うのが普通でで、目覚ましに使うには大仰な感じがします。
(訳)
目覚ましを朝6時にセットした
Я поставил(а) будильник на шесть часов утра.
具体的かつ1回こっきりの動作と考え、完了体過去形を使いました。
不完了体を使うには、毎朝6時になるようにセットしている、など
なんらかのサインが必要かと思います。
さて、正解は
うむ、ほぼ○と理解します。
辞書でбудильникを引くと、動詞はпоставитьがほとんどでした
(講談社和露、ЗиР、研究社)
研究社和露はставитьと不完了体を使っていましたが、
目覚ましは毎日決まった時間に起きるためのもんやないか、という発想なのでしょう。
岩波はзавести=ぜんまいを巻く、を取っており、古風な目覚ましを想定しているようです。