2011年07月09日

●和文解釈入門 第61回

私の亡き父は戦争中千島列島の飛行場で鐘馗(陸軍二式単座戦闘機、迎撃機)の整備兵をしており、航空隊に配給された固形日本酒(寒天に原酒をしみこませたものらしい)を食べた話などしてくれたことがある。日本酒は16~18度ぐらいで、世界で一番強い醸造酒と言われているが、2年ほど前に24度という日本酒の原酒を飲んだ。醸造酒でもこのぐらいにはなるという事らしいので、父が食べた寒天もこういうものだったのかもしれない。父は戦後捕虜としてソ連軍の収容所に入れられ、バイカル湖の護岸工事などをした。皮肉なことに戦争中は戦死者が1名だった父の部隊の2/3は収容所で飢えと寒さのために死んだという。2年ぐらいで病気になって無事帰国できたのは元来健康なたちでもあり本当に運が良かったからである。私が初めてモスクワ駐在になったときもモスクワ見物を勧めたが頑として首を縦には振らなかった。死んでも行くものかという気持らしかった。それでも収容所の外で作業をしていた時などロシアのおばさんがたから食料を分けてもらい、おかげで生き延びたとよく話してくれた。そのおばさん(たいていは戦争未亡人だった)がたの婿に来ないかという話もあり、うんといっていたら今の私はなかったことになる。私は函館で生まれたが、父は函館から汽車で1時間ぐらいの木古内の人で、姓は岩手山といい、11番目の子だった。二代前は南部藩の足軽の家だったらしい。父は北海道生まれでセンチのことをサンチといい、ストーブをストーフと言っていた。何となくロシア語のように聞こえるのに最近気がついた。
設問)「仕事の前に体操をします」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年07月09日 22:58
コメント

Я делаю зарядку
перед работой.

Я делаю зарядку
перед началом работы.
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これは完璧に正解です。私の答えは、Перед началом работы мы делаем гимнастику.
перед работойでもよいが、技術関係など厳密さを要求されるものではперед началом работыとすることが多い。работаは時間を示す前置詞とは比較的自由に結びつき、Я застал его за работой.(仕事中の彼に出くわした、彼のところに行ったら仕事中だった)や、во время работы(作業中に), в ходе работы(作業の過程で), до работы(仕事の前に), после работы(仕事の後で)などである。передは直前という意味合いが強く、доは特にそういう意味合いはない。

Posted by パラショーノク at 2011年07月10日 06:14

お父様、大変な人生でしたね。
そういえば私の母もストーブをストーフと言っていたのを思い出しました。
母の実家は四国でしたので地域性ではなさそうですね。

回答します。

① Перед работой я делаю зарядку. (ラジオ体操的なもの・自分なりに体をほぐすなど)
② Перед работой я делаю разминку. (一応使えるが、5~10分くらい軽く体をほぐすようなものなので、何かスポーツをする前に手足を振るなどの動きのイメージ)
③ Перед работой я делаю гимнастику. (一般的にперед работой という場合は仕事の前の時間が少ないので、普通は使えないが、もし時間がたっぷりあって、同じビル内のフィットネスクラブで体操をしてから仕事に行くなどの場合は特例的に使えるかも。гимнастикаはスポーツとしての体操。日本語の「競技としての体操」よりは広義)  

メインは①らしいですね。②と③は場合によっては言えなくもないと。今日は少々нечестный ответ でした。失礼しました。
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どれも正解ですし、2番目はウォーミングアップですね。会社で始業前に体操をするところがありますが、あればNHK第一のような一通りするのであればгимнастикаです。それと回答がいくつか出されるのはフェアではないとお考えのようですが、このコーナーは試験ではありませんし、実戦に即した回答をトライしてほしいと思っています。ですから実戦ではあればダメならこれをという具合に、普通は自分で当たる確率の高いもの、あるいは思い出したり、回答ができた順からロシア語にしてゆくわけです。無論10も20というのでは出題者泣かせではありますが、3つぐらいなら別に問題はありません。一つの出題で2つか3つか頭に浮かぶのは当然のことで、今回のメイさんのようなぜに回答したのかということを付記してもらえれば初級の学習者にとっては分かりやすい、仮に間違っていても出題者としてはそこを具体的に指摘できるので楽です。

Posted by メイ at 2011年07月10日 22:44

引き続き追いかけます。
momo96さんもお戻りのことやし、いつになったら追いつけるやら…

(訳)
仕事の前に体操をします
Я делаю гимнастику до работы.

習慣と思われますので不完了体現在です。
「…の前に」はперед чемかと思いましたが、
辞書を見る限りどうも空間的に目の前ッ!という意味が強いように感じます。
そこへ「仕事場」とも取れるработаなんぞ持ってきた日にゃ
ワタクシ、仕事場の真ん前で体操するのが習慣なのです、ハイ!!!
(↑誰にアピールしとるん?)
という風にも取られかねへんなぁ
ならば
「戦前」とかでも使えるдоかな、と考えました。

さて、正解は
なんと、перед началом работыとな!そう来ますか~
確かに正確ですし
Я делаю гимнастику перед тем, как я начну работу.
などと"どひつこい"文にはなりませんものね。
巧い!

мы делаемの可能性はまったく考えていませんでした!
確かに会社によっては、殊に生産ラインでは
始業5分前にみんなで体操というところも珍しくないですね。
浅慮近謀でした…

Posted by コーシカ at 2011年07月14日 00:16

僕自身がロシアに興味を持つようになる過程でも、父の影響は無視できないほど大きいです。
記憶に残っている初めてのロシアとの接触は
地理か何かの図鑑にシベリア鉄道についての記述が写真入りでなされており、
иの字(たぶんシベリア鉄道のロシア号の行き先表示板ではないかと思います)
があまりに印象的だったので
「こんな(冗談みたいな)字があるで!」と興奮気味に父に語った一件です。
子供の言うことなんやし軽~うに流しゃええもんを
うちの父ときたら
「いやロシアはけしからん、条約結んどいて裏切るとは許せん」だの
「あの国は嘘ばかりついて見栄っ張りでその実、中身がない」だの
「共産主義は上辺だけで、実際は人を含めてすべてを物扱いする非人間的なシステムや」
などなど
10歳に満たぬ子に言わんでも言いことを延々1時間以上にもわたって語り始めたものです
(それが分かっていながら懲りずにロシアネタ振る僕も僕です)。
そのあまりに偏った見方に、子供心に疑問を持った所から
(なんぼひどい国か知らんけど、そこまで悪一色ゆうことはないやろな)
僕とロシアとの腐れ縁が始まりました。
親戚にバリバリ共産党の人がいる(どうやら父はその教師夫婦を嫌っておるらしい)、
と知ったのはもう10年ほど経ち、おぼろげながらも、
ロシアと関わりのある仕事で生計を立てたい、という思いが強くなり始めた頃のことです。

ちなみに父は未だにロシアは共産主義ッ!悪(=共産主義)の総本山!!
というような頭でいます
(未だ強権的で覇権主義的という意味では正しいですが…)

Posted by コーシカ at 2011年07月14日 00:45
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