2011年03月02日

●和文解釈入門 第17回

гидравлическийというのは訳しにくい形容詞で、まずは「油圧の」と訳せば間違いないのだが、「水圧の」という場合もたまにある。現場での技術通訳では本当は「液圧の」と訳したいのだが、そういう日本語はないから「ハイドロの」する場合もある。例えば次の文はロシア語ではどうってことのない文だが、和訳してみるとちょっと困る。Контроль гидравлическим давлением следует производиться водой.「水圧試験(テスト)は水で行うこと」と訳しても「油圧試験(テスト)を水で行うこと」と訳してもなんかおかしい。仕方がないから「この耐圧試験(テスト)は水で行うこと」と訳したことがある。гидравликаというのは「油圧(水圧)システム、油圧(水圧)装置」と言う意味であり、普通は総称名詞のように単数で使うのが普通である。
(機能動詞その3 「受身的な意味をもつもの」)
- класть/положить -
кластьはНа табак не кладут запрещения.(タバコは禁止されていない)のほかに、вину на + 対格(~に罪を負わす), заплатки (латки)(つぎを当てる、繕う), крест(十字を切る), начало + 与格(始める), конец + 与格(終わらせる), основание(基礎を築く), поклон(頭を下げる), преграду(阻む), фундамент(基礎を築く)などである。
- найти/находить -
находить (своё) выражение(表される), отражение(反映される), подтверждение(確認される)применение(用いられる), поддержку(支持される) сбыт(販売される), удовольствие(満足する), утешение(慰められる)。
- повергнуть/повергать в + 対格 - (受け身の意味の機能動詞)
повергнуть в отчаяние(絶望させる), тревогу(不安にする), в уныние(意気消沈させる)
- подвергнуть/подвергать + 対格 + 与格 –
подвергнуть доклад резкой критике(報告を厳しく批判する)などで、与格のところに、анализу(分析する), действию света(光線に当てる)、наказанию(処罰する), обсуждению(審議に付す)、переработке(書きなおす), операции(手術する),насмешке(笑い物にする), опасности(危険にさらす), сомнению(疑う), штрафу(罰金を科す)。
- подвергнуться/подвергаться + 与格 –
критикеは(批判を受ける)と受け身になる。
- получить/получать -
получить воспитание(しつけを受ける), впечатление(印象を受ける), всеобщее признание(広く認められるようになる), задание(課題を受ける), заказ(注文を受ける), законную силу(法的効力を得る), замечание(叱責を受ける), знания(知識を授かる), известие(知らせを受ける), инфортмацию(情報を受ける), насморк(鼻風邪をひく), образование(教育を受ける), огласку(公表する), ответ(答えてもらう), применение(用いる), повреждение(破損する), поздравления(祝電を受け取る), приказ(命令を受ける), разрешение(許可を受ける), распоряжение(指示を受ける), сведения(知らせを受ける), согласие(同意を受ける), сообщение(知らせを受ける), специальность(専門を身につける), удовольствие(満足する)などである。
- поступить/поступать в + 対格 –
поступить в обработку(加工される), в продажу(販売される), в производство(生産される)
- потепеть/терпеть – (= сталкиваться, испытывать) 「不愉快な事を経験する」
терпеть изменение(変更を被る), крах(破産する、破綻する), крушение(列車事故に遭う), неудачу(失敗する), поражение (敗北する、жестокое поражение大敗する), убытки(損をする), урон(損をする)
設問)「もう6時だ。おいとましないと」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年03月02日 14:15
コメント

メイです。ご無沙汰しています。和文解釈のお話、勉強になります。時々読ませていただいていました。今、一番困っているのは、いつかさとうさんが書かれていたактивный запас слов が絶望的に少ないことです。読めば、あるいは聞けば、ある程度はわかるのですが、いまロシア人と話す機会がもてないので、会話的な表現がわかりません。それでも文法が正しければ、こちらの言うことは通じるでしょうが、とてつもなくとんちんかんなことを言いそうで怖いです。今日もそうならなければいいのですが…。 どうぞよろしくお願いします。

設問の答)
“Уже шесть часов. Мне пора уходить”
--------------------------------------------------
正解です。この設問は慣れれば別ですが、コツ(骨)が分からないと完了体の不定形を選んでしまうでしょう。メイさんが選んだ構文のпора は 不完了体不定形と一緒に使われることが多いということを知っていれば正解にたどりつくのは難しくないかもしれません(Пора покончить с недостатками.「これらの欠点と決別すべき時だ」という動作の必要性示す完了体不定形と結び付く用法も少ないとはいえあります)が、должен, нужноを使って正解にたどりつけるかです。 私の答えはУже шесть часов. Я должен уходить.このУже шесть часов.がなければЯ должен уйти.と完了体でもよい。その場合は必要性を示しているからだ。不完了体を使うのは「もう6時だ」とあることによって、切迫感が感じられるからである。пора(~するときだ)も普通は不完了体の不定形を取るのもそういう意味合いからである。Пора обедать.これは切迫感を示す不完了体の不定法の用法である。不完了体が来るのは着手の用法から来ているとされるが、思うに不完了体には予定という未来を示す用法がある。これは現在の延長上にある未来、かなり実現性が高い(完了体の未来形よりも高いとされる)わけで、「間違いなくそうなる」という意味に近い。そうなる以上予定を外れてはいけないという意識が出て切迫感が出て来るのではないかと考える次第である。日常で使うときには、初めは「帰らないとНадо уйти.」と完了体(新規の動作だから、あるいは動作の必要性を示しているから)が出てきて、相手側から、まあいいじゃないですかと引き留められて、それから設問のように不完了体が出て来るのが普通である。このように一拍置いた動作では、完了体が出てきて、その後体を変えて不完了体が出て来ると説明する学者もいる。そうではなくて動作が次々と続く場合は、完了体が続くのが普通であり、過去形なら順次的用法、未来形なら例示的用法と用法の名称が変わる。無論「毎朝7時に起きて、朝食を食べて、仕事に行く」という習慣や繰り返しは、不完了体の現在形が来るというのはご理解願えると思う。

Posted by メイ at 2011年03月03日 22:11

詳しいご説明ありがとうございました。今回はたまたま、「動作の着手」以外ないかな、と思ったのでうまくいきましたが、こういう口語的な簡単な会話ほど苦手です。こうした会話が上手に使えないとロシア人からはとりあえず、ロシア語が下手だなぁと思われますね。これはさとうさんがおっしゃるように実際に使う場面が多くないとうまくならない分野でもありそうですね。会話が沢山出てくる本を読んでも、何度も繰り返して声に出して覚えない限りすぐに忘れて(年のせいも加わり)、自分では使えないですから。そこをなんとかクリアしたいものです!
пора(~するときだ)も普通は不完了体の不定形を取る。よく考えればおっしゃるとおりですね。これからもう少し、完了体・不完了体に、真面目にもっと文法的に対処していきたいと思います。ありがとうございました。

Posted by メイ at 2011年03月03日 23:34
コメントしてください