2011年02月26日

●和文解釈入門 第14回

第10回で書いた和文解釈(会話での和文露訳)用の表をもっと使いやすいように訂正したので、興味がある人は参照願う。
今年の自分のテーマは類語(類義語семантически близкие слова)の使い分けだが、ここで紹介している類義語の使い分けで用いている辞書はСловарь синонимов русского языка(ロシア語シノニム辞典), Наука, 1971(2巻)、ロシア基本語活用辞典、現代ロシア語社、1979年、それに4巻本の露露辞典や、最近で初めて13巻まで出版されたアカデミー版露露辞典、Новый объяснительный словарь синонимов русского языка(新釈ロシア語シノニム辞典、3巻), Апресян他, Школа «Языки русской культуры, 1999 – 2003)である。
ソ連が国際単位系(SI、ロシア語ではСИ)を承認したのは、GOST9867-61でだが、実際に広範囲に使用されるようになったのは1970年半ば以降である。そのためロシア語略語辞典(Русский язык, 1983、第3版)の前書きにあるように、初版(1963年)に比べて、第2版(1977年)ではボルト、アンペア、ヘルツ、ワットなどの単位が国際単位系に準じたものに変更されている。つまり従来小文字の斜体で書かれていた単位が、それぞれВ, А, Гц, Вт(それぞれV, A, Hz, W)と書かれるようになったわけである。そのため1970年代初め以前の技術文献では古い書き方の単位があるということを頭に入れておいてほしい。
ロシア語では同じ文や段落では同じ語の繰り返しを避けるのが普通だが、同じ語が一つの文で2回出てくる例を見つけたので紹介する。Японец пользуется свободой настолько, насколько она не стесняет свободы других. Сознавая своё собственное достоинство, он уважает достоинтсво и в других.(日本人は自由が人の自由を束縛しない程度に自由を享受する。自分自身の誇りを意識しながら、人の誇りも尊重する)。свободой... она...свободы, достинство...достоинствоという風に、中に人称代名詞を使ってくどさを避けているののもあるのが分かる。
リストはсписок, перечень, ведомостьを使うが、списокとпереченьは同義と考えてよい。ведомостьはリストの中に説明が詳しく入っているもので、船舶の修理リストなどがそうである。最近使われるものでワインリストがあるが、これはвинная карта (= карта вин)という。これから派生してか、レストランによってはкофейная карта(コーヒーセレクション)、чайная карта(ティーセレクション)、коктейльная карта(カクテルリスト)と乱発気味である。長さはдлинаであるが、くねくねした線(海岸線など)や湖の周囲という意味ではпротяжённостьを使う。Это озеро с протяжённостью береговой линии около 150 км.(これは周囲およそ150 kmの湖である)
設問)「トルストイの〔戦争と平和〕を読んだことがありますか?」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2011年02月26日 07:50
コメント

картаの用法は面白いですね。知らないと全部списокで済ませてしまいそうです。

さて、今回の答えには不完了体を使いました。

Вы читали «Войну и мир» Л.Толстого?
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完璧です。Слов нету!他の方のために一応解説しておきます。Вы читали «Война и мир» Льва Толстого?文法用語では動作(事実)の名指し(個人的には「経験」と呼びたい)と呼ばれる用法で、不完了体過去形のアオリスト的用法の一つ。「2005年にモスクワに行ったことがある」というのは日本語で正しいかどうか知らない(私はこのような日本語は使わない)が、ロシア語でこれに不完了体を使うと非常に奇妙な感じを受ける。不完了体はこのような具体的な時(過去)の副詞と一緒に使われることはあまりないからだ。トルストイはロシアでは作家で同じ姓の人が何人かいるので、名をつけるようにした方がよい。

Posted by momo96 at 2011年02月26日 15:16
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