2011年01月17日
●20.間違いやすいロシア語
若者が使う俗語で「高っ」とか「低っ」というような言葉はロシア語の形容詞の短語尾に似ているなと最近気づいた。この俗語も修飾はできず、述語として用い、しかも「高い」とか「低い」という意味よりは、「高すぎる」とか「低すぎる」という意味で使うようだ。これなどロシア語のЭти туфли велики.(この靴は大きすぎる)などと同じような用法だなあと考えた次第。
和露辞典がプロの仕事をする上で頼りにならないとすれば、ロシア語の語彙収集にはいろいろな露文を読むしかない。時事ロシア語だけではなく、文学も、取扱説明書でもなんでもということで、重要なのは収集した単語をエクセルでもなんでもデータとして保存し、後でその訳が正しいかどうかチェックするという事である。例えばサービスも日本語ではタダというニュアンスもあるから露訳しにくい語である。接客や保守点検という意味ではобслуживаниеといい、アフターサービスпослепродажное обслуживаниеというが、товары и услуги(商品とサービス)のように、目に見えない商品や業種という意味ではуслугаを使う。службаは英語ではserviceのいう意味でも使うが、兵役とか仕事(肉体労働ではないいわゆるサラリーマンの仕事)という意であり、技術用語ではсрок службыは機械の寿命という意味で使う。ただ似た響きを持つ語のсервизはчайный сервизティーセットという意味である。タダという意味の「~はサービスです」と言いたいときは、例えばПри заказе любого горячего блюда из меню, суп и гарнитур – в подарок.(メニューから温かい料理をご注文下されば、スープと付け合わせはサービスです)のようにв подарокとも言える。グラフはграфикとдиаграммаは同義語だが、マーケッティングリサーチなどでは前者は折れ線グラフの意味で、後者は円グラフや棒グラフ(厳密には棒グラフはгистограмм)の意味で多く使うようだ。前置詞はнаを使う。日本語の開発には、天然資源を生活に役立つようにすることという意味と、実用化するや知識を開き導くことという意味がある。前者の意味ではосвоение〔освоение космоса(宇宙開発)〕を使い、後者の意味ではразработка〔разработка новой технологии新技術の開発〕となる。人材開発はразвитие людских ресурсовとするが、新規顧客の開拓ならпривлечение новых клиентовとなる。развитиеは発展という意味だが、展開や振興という意味でも使える。развитие сети ресторановはレストランチェーンの展開となり、региональное развитиеは地域の振興となる。