2009年12月15日
●新帯研 第86回
剣豪小説を読んだり、空手をテーマにした映画を見ていると、秘技というのが出てくる。こういうのは大半絵空事なのだろうが、一度だけ秘技を見たことがある。和道流の空手を大学時代やっていたが、夏の合宿で、大塚師範(和道流開祖大塚博紀師範の御子息で当時は次郎師範)が空手の受け身を教えてくださっていた。師範は見た感じ空手の師範というよりは英国紳士のように見えた。空手の受け身というのは珍しいが、合宿の後半ということもあり、またハエがしつこくブンブンと飛び回っていて今一つ師範の話に身が入らなかった。師範は特にハエに気がつかないようだったが、受身の説明のときに軽く足刀(足のかかとに近い側面で蹴る技)をふわっと繰り出された。非常にゆっくりに見えたが、なんとハエが板の間に転がり落ちた。まるでハエが足に吸い込まれたように見えた。全体に師範の組み手はゆっくりとされていたが、先輩の2段クラスでも子供扱いだった。結局私の空手はものにならなかったが、このことだけは30年以上も前だったが鮮明に覚えている。
- Гражданин, за вами рубль!
- Где?
- Я говорю, что вы должны мне рубль!
- Ах, да! Так возьмите то, что за мной.
設問)和訳して、オチを説明せよ。
「あの、あなた1ルーブルを!」
「え、どこに?」
「いえ、1ルーブル返して、と言ってるんです。」
「ああ、そうだった!それじゃ私の落とした1ルーブルを持っていってください。」
*うまく訳せないかと思ったのですが、無理でした。за вами рубльを「あなたの後に1ルーブルが(落ちてる)」と「1ルーブルの借りがあるでしょ」の二通りでかけたもの。
ちょっと落語っぽい話ですね。
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オチの理解はその通りです。おっしゃるように訳すのが難しい小話です。最後の行を、「後ろに落とした私の1ルーブル」とすれば少しは原文のニュアンスが伝わるかもしれません。私の訳は、
「あの、1ルーブル」
「どこに?」
「私の言ってるのは、1ルーブル払ってもらわないとということです」
「あっ、そぅ。じゃあ、後ろに落ちている1ルーブルあげる」