2009年06月29日

●新帯研 第55回

鳥に乳はない。それゆえ何でもあることはロシアでは「鳥の乳以外ならなんでもある」という言い回しがある。しかもないはずの「鳥の乳」птичье молокоというケーキまである。そうはいってもハトは例外で、ハトは年中種を食べ、しかもかまずに飲み込んでも消化してしまい、その種から自らミルク状のものを作ってしまう。オスメスに関わらず消化器官(そのう)内壁の脂肪やたんぱく質を含んだ細胞を剥離させて、脂肪分30%以上というミルク状の液体にして雛に与えるのだと、「スズメの少子化、カラスのいじめ」(安西英明著、ソフトバンク新書、2006年)にある。これがPidgeon's milkである。
一度「さとう」というひらがなの苗字は珍しいですねと本気で聞かれて困ったことがある。無論、私の姓は佐藤だ。佐藤というのはあまりにありふれて、名前の識別の機能を果たしていない。佐藤好明をインターネットで見てみると、海洋大の元教授に同姓同名の人を見つけた。佐藤好明で本を出さなくてよかった。その人は気分を害したかもしれない。ロシアでもСатовскийという姓はある。それでこれをペンネームに使おうか考えたこともあるが、佐藤をひらがなに変えるだけにした。少しは目立つと思っている。モスクワでSATOと書いてあるトラックを何度か見かけた。日本の中古車にしては漢字ではないのが不思議だった。2年前ヘルシンキでSATOと書いてあるビルを見つけた。それでフィンランドのトラック会社の名前だということが分かった。幕末のアーネスト・サトウで有名なSatowという姓は、無論佐藤とは何の関係もなく、お父さんがスウェーデン生まれのソルブ系ドイツ人であり、スラブ系の希少姓とある。フィンランドではスウェーデン語も国語の一つだから、サトウと関係があるのだろうか。ロシアではСатовский という姓はまれに聞くし、インターネットで調べたらСатовといいうのもあった。今後これを使ってみようかしらん。佐藤は普遍で不滅だ。今回の課題は、
Последние русские цари: Владимир Самозванец, Иосиф Грозный, Никита Блаженный и Леонид Летописец.
設問)訳せ。オチを別に解説してもよい。

Posted by SATOH at 2009年06月29日 13:08
コメント

訳:
最悪のロシア皇帝:ウラジーミル偽帝、ヨシフ雷帝、聖ニキータ、レオニード編帝。

 ・レーニン、スターリン、フルシチョフ、ブレジネフをウラジーミル公、イワン雷帝、聖ワシーリイ、修道僧ネストルにかけた話。和訳が稚拙ですみません!
 ・последниеは、やはりり「最近の」でしょうか?また、ブレジネフだけ、坊さんなのが気になりますが著作をおちょくったのかなと、思いました。
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オチの理解はその通りです。ブレジネフについてもご理解の通りだと思います。последениеは多分この小話が作られたのが80年代初めだからで「最近の」でも「最後の」でも、どちらでも構わないと思います。それとブレジネフ以降の書記長は絶対的支配者とは言えないでしょうから、私は「最後の」と訳しました。блаженныйというのは福者という意味ですが、юродивый(聖愚者)ということで、精神に異常を来しているという意味でフルシチョフを皮肉っているわけです。ですから聖ニキータではその意味が伝わらないと思います。ブレジネフのレオニード編帝はよい訳です。編の後にカッコで(変)を入れておくと面白いかもしれません。私の訳は、
最後のロシアの皇帝たち。僭称(上)者ウラジーミル、ヨシフ雷帝、酔狂者ニキータ、そして史家レオニード。

Posted by hatomame at 2009年06月30日 14:10
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