2007年07月15日
●帯研(第99回)
疑問を持つというのは簡単そうだが、常に意識していないと疑問は湧かない。例えばперронという言葉がロシア語の文章で出てきたとする。これはプラットホームだが、платформаとはどう違うのだろうという疑問が出て、露露辞典を引いて答えを見出せば、上級の入口に立ったも同然である。疑問が湧くということが自然に出来るようになれば、その場で答えが分からなくとも(疑問は質問の形でノートに書いておくとよい)、いつか答えが分かるだろうし、そういう人は自分に満足しない人だから自然にロシア語がうまくなる。ちなみに露露辞典を引いた限りではперронは旅客用のプラットホームで、платформаは貨車・客車両方使えるのではないかというのが私の考えである。ちなみに駅の5番線は5-й путьという。同様に、ロシア語の勉強をするときは長期、中期、短期と分けてそれぞれの見通しを立てて勉強したほうがよい。長期のものには、すぐには効果が出ないかもしれない諺、言い回し、句動詞などをやればよい。ある文章でв нижнем течении「下流で」を見つけたとしよう。下流という単語を知らなかったので暗記しようとする場合、нижнее течение と主格(対格)で覚えるよりは、вをつけて「下流で」と覚えたほうが将来活用しやすい。露和辞典にも「下流」は載っているが、「下流で」は載っていないので、どんな前置詞がくるか後になって役立つ。動詞句などもそうである。今回の課題は難しいかもしれない。
Человек приехал на курорт. На первом приёме лечащий врач, посмотрев курортную карту, заметил:
- У вас тут не всё заполнено. Скажите, какая у вас спиртометрия?
- А что это?
- Ну...Сколько вы выдуваете?
- Могу литр, а то полтора?
- Что вы! У нас женщины и то до трёх литров выдувают.
- Так это ж, наверное, красненькое. А я – о белом.
設問1)オチが分かるように訳せ。
最近は暗記がどんどんできなくなっていくので、何か対策を講じねばと思っていたところです。
暗記(いわゆる丸暗記)以外の方法で語学の習得はできないものかといろいろ物色中です。
すみません、「下流」か「下流で」か以前の問題でした。
回答です。
ある男が保養所にやってきた。最初の面談で主治医が療養カルテを見て次のように指摘した。
「カルテが全部埋まってませんね。酒精摂取量はいかほどでしょうか?」
「それは何ですか?」
「つまり…酒はどのくらいおやりになりますか?」
「1リッターはいけると思うんですが。あるいは半リッターか」
「まさか!ここじゃご婦人方だって3リッターまではおやりになりますよ」
「そりゃまず、色つきの酒でしょう。私は白いほうを言ってるんで」
医師はアルコール度数の弱い酒(ワインやビールなどでウォッカは含まれていない)について聞いたのに対し、男はウォッカを想定して答えた。белоеはウォッカを意味し、красненькоеはここではウォッカ以外のアルコール度の少ない酒(つまりワインなど色つきの酒)をさしている。一般的には赤ワインをкрасненькоеと言うようですね。
日本人向けなら「白いほう」ではなく「無色のほう」と訳したほうがいいかもしれませんね。
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ほぼ完璧ですが、医者はアルコール一般にたずねたのであって、ウオッカを除外しているわけではありません。いわゆる呼気検査です。私の訳と解説は、
ある人が保養地に来ました。初診で主治医が、療養カルテを見て、こう言いました。
「全部記載されていませんね。アルコール呼気検査ではどのくらいですか?」
「そりゃ何です?」
「うーん、どのくらいかということです」
「1リットルは大丈夫、ひょっとして1.5リットルかな?」
「まさか。女の人だって3リットル (3,000 cc) ぐらいはいきますよ」
「それはきっと赤でしょう。私は生のやつですから」
解説)спирометрия = измерение жизненной ёмкости лёгких с помощью спирометраであり、спиртометрияとしゃれたもの。выдуватьに「たくさん酒を飲む」と「息をふきかける」をかけている。красненькое はкрасное виноというよりはアルコール添加のпортвейнのこと。белое = водка。
すみません。最終回近くなって大きくころんでしまいました。このアネクドート、オチがまったく理解できていませんでした。今回は難しいとあらかじめ予告されていた意味がさとうさんの解説を読んで初めてわかりました。
私はвыдутьを、単に「たくさん酒を飲む」ととってしまったためです。
まだよく理解できていないのは、療養時に行うアルコール呼気検査とはどういうものなのでしょうか?これは普通の肺活量測定とは違うのですか?普通の肺活量だと仮定すると、医者は最後まで肺活量について話している(女性の肺活量は○リットルとか)のに、療養者はずっと飲酒量と勘違いしている、というおもしろいアネクドートだと思うのですが。(肺活量=спирометр)になっていますが、医者が言い間違えたのでしょうか?あるいはспиртометрияでも肺活量という意味があるのでしょうか。
こんなにわからなかったのは初めてです。
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この小話では呼気検査と肺活量は同じ意味で用いられていますが、通常はアル中に対しての検査(または交通取締での)ででしょう。
もう99回ですね。感慨深いものがあります。
遅ればせながら、回答します。
<和訳です>
診察を受けに患者がやってきた。初診で、治療にあたった医者はカルテを見ながら、言った。
「いろいろ聞いておかないといけませんね。肺活(杯渇)量はどれくらいか教えてください」
「なんですって?」
「ええと…一息でどれ位いけますか」
「1リットルはいけますから。1.5リットル位かなあ」
「何ですって!ここでは女性でも3リットルはいけますよ」
「それは多分、赤ワインでしょう。私は白いヤツ(ヴォトカ)のことを言ってたんですよ」
医者と患者のコミュニケーションのズレですね。医者の質問にあるспиртометрияがспирометрияでないのが気になりますが・・・
спиртометрияとспирометрияの音が似ているところと、выдуватьの「吹く」と「飲む」の意味がかぶっているのがポイントですね。
спиртометрияにもうひとつ意味をかぶせてあるような気がします。спермаも暗に示されているような気がするのですが。そうすれば、красненькоеも「赤面してしまうような・恥ずかしい」という意味になり、белоеも色としては当てはまりますが・・・勝手に解釈してろっ!てなりますね、やっぱり。失礼しました。
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私以上に理解されているようです。杯渇量には驚きました。今後が楽しみです。
そういうことだったのですね。最後の最後に赤っ恥でした(自爆)。спирометрияを辞書で確認!やっぱり帯研、最後まであなどれませんでした。たかがアネクドート、されどアネクドート、見事完璧にはずして最終回を迎えます。ヾ(`ε´)ノヾ
ついでに…поллитрと полтораまで間違えるとは!あ、これは単なる間違いですから。
名誉にかけて付け加えます!