2007年07月20日
●帯研(第100回)
ついに100回を迎えた。一応これで帯研は終了となる。これも一重に参加者の協力の賜物である。深く感謝する。第1回から100回まで自分の力で課題を解いてきた参加者は、ロシア人と実戦でやり取りしてもそれほどオタオタすることはないと思う。これでガイド試験やロシア語検定1級にでもうかるぐらいの実力がつけばいうことはないのだが、目指しているところが違う。帯研はあくまで実戦本位である。もし何か面白い課題が見つかれば再開するかもしれない。それまでは各自アネクドートなどで修行して欲しい。アネクドートはロシア語のネットでいくらでも見つかる。小話もロシア語の教材になるということを確認できたのは私にとって大きな成果であった。帯研の成果を基に、新たに小話を用いた会話用参考書の原稿を執筆中。使う小話は帯研で出題したものは載せないつもり。出版できるといいのだが。最後の課題は、
Идёт судебный процесс в Грузии. Судья строго спрашивает:
- Подсудимый, ваше последнее слово!
Подсудимый встаёт и низким голосом говорит:
- Сто восемнадцать тысяч.
- У прокурора есть возражения?
- Нет.
- На нет – суда нет!
設問1)オチが分かるように訳せ。
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とうとう100回を迎えました。感無量です。昨年10月に帯研に入れていただいた時はまさか100回を記録するなどとは夢にも思いませんでした。コーシュカさんに誘われて興味本位で入れていただいた帯研でしたが、回を重ねるにつれて、徐々にアネクドートのおもしろさに引き込まれ、抜け出ることができなくなっていきました。最初はまったくわからなかったオチが、背景の文化を知ることでわかったときの楽しさは、数学の難問を解き上げたときの快感に似ています。途中、とんでもない答をUPして大恥をかいて(ロシア語関係者だけとはいえ、読者は不特定多数ですから)、ネット授業の恐さも思い知りましたが、その後時間をかけて下調べをするようになるなど、プラス効果もありました。アネクドートからの出題はほんの数行でも、文化的背景を知らなければ解けない問題ばかりでしたので、予習は何倍もの時間がかかっています。時には数日そればかり調べているようなときもありました。文法問題もしかり。自分の持っている全部の参考書を引っ張り出して照らし合わせたり、ネットで例文を調べたり…大昔に習ったままの文法の確認とさらに踏み込んで細かいニュアンスまで帯研で習得できるとは思いませんでした。毎回、長い実務経験と深い学問的な蓄積に基づいたご指導のおかげで、この1年足らずでかなりロシア語の総合的な実力がUPしたのではないかと自分ながら驚いております。まさに厳しく(こわい?)、適切なご指導のたまものです。
私たちが帯研で教えていただいている間に、さとうさんは御著書を二冊も出版されました。
『ビジネスロシア語』と『ロシアのジョーク集-アネクドートの世界』(東洋書店)です。ロシア語を学ばれている読者の方々には、両書ともロシアを知る最短の著書であるとの確信をもってここであらためて紹介させていただきます。たまたま「御著書の執筆+試みのネット授業」の時期に私たちが行き合わせたことは幸運としか言いようがありません。10ヶ月にわたる帯研での授業に心から感謝申し上げます。今後も引き続き御著書を準備中とか。ますますのご活躍とご成功を祈念しております。ありがとうございました。
(最終回の回答です)
グルジアで裁判が行われています。
裁判官が厳格に質問しました。
「被告、最後に何か言っておくことはありますか?」
被告は立ち上がり低い声で言いました。
「11万8千(で手を打っていただければと)…」
「検察官、異議ありますか?」
「ありません」
「異議がなければこれにて裁判を終了します!」
裁判まですべて賄賂で解決するとは!唖然!
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長い事お付き合いありがとうございました。私のほうこそいろいろ勉強になりました。ロシア語を学ぶ上でアネクドートは、短いがロシアの実際の生活のエッセンスが詰まっている事で、不可欠なものだということを再認識しました。同学の士が増えて心強い限りです。これからもよろしく。最後の出題になりますが、オチのところが分かっていないのか、あるいは訳にうまく出ていないようです。私の訳は、
グルジアで裁判中。裁判官が厳かにこう尋ねました。
「被告、最後の陳述をどうぞ」
被告は立ち上がって、低い声でこう言いました。
「11万8千」
「検事に異論はありますか?」
「ありません」
「ないものはないですな」
解説)На нет – суда нет「ない袖は振れない」(нетの強調)と「異論がないということに対して裁判はない」とをかけている。
とうとう100回ですね。
アップアップしながらも落伍しないでここまで来れたことには感慨深いものがあります。
さとうさん、本当にありがとうございました。
この帯研のおかげでこれからもロシア語学習を継続していけそうです。
メイさん、コーシカさんとも知り合いになれて閉じていた世界が広がってきたようです。明るくロシア語を学習していきたいと思います。
回答ですが、被告が発言した数字の意味がわかりませんでした。
最後はすっきり理解した回答を送ろうとしたのですが、やはりダメでした。
<和訳です>
グルジアで裁判が進んでいた。判事がきつい口調で言った。
「被告、最後の言葉をのべなさい!」
被告は立ち上がり低い声で次のように言った。
「11万8千」
「検察側に反論はありますか」
「ありません」
「ないものは仕様がない(じゃ、これで終わり)」
裁判といっても丁々発止の議論が展開されるのではなく、おざなりに行われている状況を風刺したものと受け取っていいのでしょうか。
PS
メイさんの回答をみました。数字は金額で賄賂だったんですね。最後の発言と100回終了がかぶっているような気がしましたが、そんなことはなかったようです。まだまだロシア文化になじんでいませんね。さとうさんのお書きになった本を読み直します。
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長い間お付き合いありがとうございました。今後ともよろしく。