2007年06月12日
●帯研(第92回)
ロシア人に自分が作文したロシア語を見てもらう場合、気をつけたほうがよいと思うのは、ロシア人が訂正するときに、1) 文法的な誤り、2) 慣用からの乖離、3) 自分ならこう訳すというこの3つを明確にしてもらったほうがよい。1) と2) は指摘してもらえばためになるが、3) は参考としたほうがよい。ロシア人すべてが美文家ではあるまい。日本人の日本語の例で分かることだ。今回の課題は、
Однажды король вышел в зимний сад и увидел на снегу надпись: «Король дурак». Он был страшно разгневан и приказал министру разобраться. На вечернем докладе министр докладывает:
- Ваше величество! Преступники найдены. Моча – первого министра, почерк – королевы.
設問1)できるだけ上品に訳せ。
ロシア語の勉強会が群馬にもあるので顔を出してみることにしました。ロシア人に直接質問して語法と文法のチェックができるので勉強になりそうです。
<和訳です>
ある冬の日、王様が庭園へ出てみると雪の上に『王様の馬鹿』という文字が書いてあるのが目に入りました。王様は大変腹を立て、大臣に究明するように命じました。夕方になって大臣から報告がありました。「陛下!誰の仕業か突き止めました。アンモニア成分は第一大臣のもので、筆跡は女王陛下のものです」
訳のほうは下品になっていないかどうか微妙ですが、第一大臣がオシッコをしており、その傍らでフデ?を取って字を書いたのが女王というなんとも複雑?な人間関係ですね。
министрですが、「おそば付きの役人」とか「秘書」みたいな意味で使われる場合もありますか。
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オチもその通りで訳もよいと思います、秘書などという意味はないと思います。この場合は大臣という意味でしょう。私の訳は、
あるとき王様が冬宮に出ると、雪の上に「王様は馬鹿だ」という字が見えました。王様はものすごく怒って、大臣に究明せよと命じました。夜の報告で大臣が報告するには、
「陛下、犯人を見つけました。尿は首席大臣ので、筆跡は女王様のです」
今回は帯研100回(?)のうちで最もオチたネタでしたね。わが家の加齢なる一族も大笑いでした。ロシア人の頭のよさに脱帽です。