2007年05月31日
●帯研(第87回)
ロシア語の会話集を見ていると、語彙の解説と例文の羅列が目につく。これはこれで文章を暗記するという点では効率的で悪いことではないが、会話力をつけるには、文章の流れにも気を配る事は重要である。なぜこういう表現が来るのかということが前の文脈ではっきりする場合が多い。そういう意味で4行ぐらいの小話を丸暗記してしまえば、肝心の表現を組み立てる時間が稼げると思う。もっともその前にやっておいたほうがよいものがある。それは文法である。ただ既存のロシア語文法書は露文読解に主眼が置かれているように見える。例文一つとってもロシア文学からとられているものが多い。作文用の会話力をつけるための広く応用できるような文法の解説がもっとあってもよいと思う。たとえば実際の会話で多く使うのは、ビジネスでは予定などである。それと同時にロシア人にとって常識であるような知識にも常に意を払っておくのがよい。「どこからですか?」と聞かれて、答えたくないときや答えをはぐらかしたいときに、ロシア語ではОт верблюдаという。この表現はЧуковскийの児童向けの詩Телефон(電話)が由来である。この詩は最近ラジオのNHKロシア語講座応用編でも取り上げられたので覚えている人も多いだろう。ロシア人はこういうものを幼い頃から耳にも目にもしているので、児童向けの作品を読むのも重要だなと思った次第。勉強するに遅すぎるということはないが、若いうちにチェーホフやドストエーフスキーを読むより前に、先にこのようなものを読んでおいたほうがよいと思う。電話と言えば、お恥ずかしい話だが、長いことтаксофонというのはタクシーの呼び出し専用電話だと思っていた。これは公衆電話でтелефон-автоматと同じことである。電話するときにコインを入れて、時間毎に課金されるのでそれがオフィスや家庭の電話とは違うということらしい。今回は駄洒落問題。
- Что такое шансонетка?
- Женщина, у которой нет шансов.
設問1)日本語でも駄洒落となるように和訳せよ。
こちらに入れていただいてから、おもしろそうなアネクドートを覚えようと頑張っていますが、なかなか覚えられません。しかも、今回のようなアネクドートの日本語訳はさらに難しいですね。元の意味を大きく変えずに、しかも日本人に笑ってもらうとなると。この種の課題をいただいたら、電車に乗っていても、車に乗っていても、買い物している時でも頭のなかはいつも語呂合わせができそうな単語がかけめぐっています。「え~っと、今夜は、豆腐と、きゅうりと、しめじと……女性演歌歌手がいいかなぁ、それともボーカル?、歌い手?ソリスト?etc,etc…」ときには声に出してぶつぶつ言いながら歩いているときもあるかも。
あまりうまくできませんでしたが、早めに出してしまうに限るので提出します。
「女性のソロ・シンガーって?」
「ずっと一人でシングルでいる女性」
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ロシア語でのオチは理解されているようです。私の訳より上品でよいと思います。笑われそうで発表したくはないのですが、念のため。
「chansonnierとは何か?」
「女で、チャンスねってか」
解説)шансонеткаは「キャバレーなどで歌われる小唄chanssonette」や「女性シャンソン歌手chansonnier」という意味がある。
すみません、本当に吹き出してしまいました。英語でチャレンジとは!
まんまで日本語にされたのには脱帽です。
今回は駄洒落に苦しみ、ずっとああでもないこうでもないと考えていましたが、コレっていうのはできませんでした。お下劣路線で行きます。
<和訳>
「キャバ助歌手って何だ?」
「賞賛(勝算)のねえ女のことだ」
やっぱり苦しいですね。下に落ちてもオチがない・・・