2007年02月12日

●帯研(第53回)

学習者の手近にロシア人がいれば、そのロシア人に自分の作った露文をチェックしてもらうというのは自然なことだが、ロシア人が見ているのは露文そのものがロシア語としておかしくはないかということである。あるいは親切なロシア人なら自分ならこう書くと直してくれるも多い。ただ元の和文のニュアンスが分かるほど日本語が出来るロシア人はそんなにいないということを頭に入れておくべきだ。ロシア人から「この露文はロシア語としておかしい」と言われても、案外テニヲハ程度のミスやそのロシア人の好みに合わないということで、本質的には原文の和文とそれほど違わないということもよくあることだ。聞けるなら、文法のミスか、標準語法ではないのか、そのロシア人の好みなのかよく確認する必要がある。無論そこまで聞くにはロハでということではなく、授業料を払うべきだとは思う。
Самый короткий анекдот:
Еврей – дворник.
設問1)オチを説明せよ。

Posted by SATOH at 2007年02月12日 13:45
コメント

ユダヤ人問題はとくにロシアでは避けて通れない問題ですね。ユダヤ人だけでなく他の少数民族も、アネクドートのなかにかなりの頻度ででてくることをここで勉強させていただき始めてから知りました。それでは、今日の課題に挑戦です。

ユダヤ人--掃除夫
(ユダヤ人の掃除夫)

私のなかでは、ユダヤ人のイメージはお金と結びついた形で作られています。金融業関係、守銭奴、そして金儲けができるだけの優秀な頭、世界で成功している人々の多くがユダヤ人等々です。そしてその頭の良さは、被差別ユダヤ人が生きていくための知恵であるという構図です。これが一般的だとすれば、ユダヤ人は掃除夫などのчерные работыには一番つきにくい筈です。ですからここでは、белая воронаとしてのおかしさ(アネクドートですから)をねらったものであると思いました。もしそうならば、このアネクドートはどんな状況で使われるのでしょうか。
あるいは、帝政ロシア以来、ロシアのユダヤ人はもっと底辺を支えていたのかもしれませんね。そうなると今回の私の回答はまとはずれとなってしまいます。
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オチの理解もその通りです。ただдворникを掃除夫と訳すのはどうかと思います。掃除や雪かきが主な仕事ではありますが、門番のほうがよいと思います。掃除夫なら掃除をしたらそれで終わりという感じがします。дворникは革命前なら店子のパスポートを警察に提出したり、店子がどんな人間か警察に定期的に連絡したり、泥棒などが出たときには警察の手伝いもします。来客の取次ぎなども大事な仕事です。私の訳と解説は、
最も短い小話。ユダヤ人が門番。
解説)門番は19世紀後半から1980年代まで、建物の掃除、警備などをし、特に革命前は家主と警察の配下にあった。名ばかりの住まいは保証されるものの、都市の最下層であり、ソ連時代で政治犯が他の職業に就けなくて門番になるということもあった。つまりオチははしっこいユダヤ人が絶対にならない職業ということから。

Posted by メイ at 2007年02月15日 10:15

すみません。Самый короткий анекдот: の部分を訳し忘れました。
最も短いアネクドート: と付け加えておいて下さい。

Posted by メイ at 2007年02月15日 10:27

ありがとうございました。дворник=門番ですね。ソ連時代に政治犯が門番をやっていたというのは初めて知りました。

Posted by メイ at 2007年02月18日 14:50
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