2005年06月10日
●「アネクドートに学ぶ実践ロシア語会話」
これまでロシア語初級者向けの会話集や参考書は多くはないにせよ、書店で比較的簡単に手に入りますが、中級者(何とかロシア文字が読めるレベルからまだ露露辞典を使えないレベルを中級者と規定しました)向には参考書がないということと、初級者といえど普通は20歳ぐらい以上で立派な大人のはずなのに、これまでの会話集は、それにそぐわないあまりに子供っぽい内容のものばかりです。それと会話がスムーズに行く例ばかりで、ロシアで頻出するホテルの予約のドタキャンとか、うまくいかない場面でそうするかが書いていないように思います。会話と言うのは、航空券やホテルのチェックインなどは自分の名前をはっきり言って、パスポートを見せれば特にロシア語は必要ではありません。困ったときのロシア語というのをオチのあるアネクドートを活用して、ロシアの実生活に合わせたロシア語会話を書いてみたいと思ったわけです。本書ではどのようにロシア語を勉強するか(どんな参考書があるか、勉強の方
法)を説明するとともに、アネクドートを文法的に解説することで会話力の向上を図ろうというものです。電話のかけ方、電話で名前が聞き取れないときどうするか、状況の問い合わせ、場所と所有、質問、おわび、仮定法過去、交渉、面接、同意など無難な例とトラブる例を挙げ、そのテーマに即したアネクドートを2,3ずつ挙げて文法的に解説してあります。全てではありませんが多くをCDに吹き込みました(あまりきわどいのは吹き込み者が嫌がると判断したためです)。この他に酒席でどうするかなども書きました。
発音矯正や聞き取りを高めるために、ロシアの歌やビデオについても解説しました。ロシアの歌は日本で広く知られている歌よりも、ロシア人がよく知っているものを革命前後から70年代のものを中心に選択し、背景も説明しました。例えば、Утесов のС одесского кичмана やБернес のТемная ночьなど懐メロретро なども入っています。ビデオはソ連初のトーキー Путевка в жизьから始まって、Бригадаまで30タイトルについて解説も入れました。この他にロシア語ではなく、ロシア旅行に興味ある方用に、ダニ、おみやげ(緑色の琥珀、キャビア)、寒さ対策、毛皮の買い方などを解説しています。最後に500ぐらい和露の形式で普通の和露辞典に載っていない役に立つと思われるフレーズを載せました。
(CD付、1900円、200ページ、東洋書店より発売中)