2008年07月14日

●新帯研 第29回

技術関係のシンポジウムの通訳では当然ながら技術用語が頻出する。これが同じ日本語かと思われるものもある。例えば「サワー環境における応力腐食割れ」сероводородное коррозионное растрескивание под напряжениемというのが、石油掘削関係のパイプ(鉄鋼分野)の技術交渉で使われるが、この日本語を一度聞いただけで意味が分かってすぐ露訳できる人はまずいないだろう。これは硫化水素(今流行りの猛毒のガス)がある環境でパイプに応力がかかって腐食が起き、それによるひび(割れ)のことである。応力というのは物体に力が加えられるとそれに抵抗する力が起こる。これを応力といい、応力より物体にかかる力大きければ物体は破壊される。応力はнапряжениеで、ロシア語では電気用語の「電圧」と同じ形なので、使われる文脈によって和訳を変える必要がある。このようにビジネスロシア語とはいってもその分野の専門用語が分からないとお話にならないわけである。今回の課題は、
Кто может – превышает свои права. Кто не может - качает.
設問)訳せ。

Posted by SATOH at 2008年07月14日 17:55
コメント

お久しぶりです。毎日暑すぎて真面目にロシア語学習どころではありませんので、息抜きにやってきました。 (^∧^) 不謹慎でスミマセン。間違って笑いものになるのは覚悟のうえで。

 (回答です)
やれる者は越権に及び、やれない者はごり押しする

今回、オチがあるのがわかりませんでした。ロシア語的にはкачать права がおもしろく聞こえるのでしょうか。もともとкачатьはポンプを押したり、空気入れを踏んだりするときに使われる言葉だということから想像すると、何もしないと結果が出ないという前提があるのでしょうか。辞書には、(悪い意味で)自分の権利を主張する;他人の物にまで自分の権利があると強引に要求する、とありました。根拠がないのに自分を通すためには、ごり押ししたり、ごねたりしないと通らないのでそういう訳にしてみました。オチをつけるとすればどんな日本語が適当なのでしょうか。どんな状況でこのアネクドート(格言?)が使われるのかがわかればなおおもしろそうですね。
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今回は特にオチがどうのというよりも、言葉の響きが面白かったので、通訳するときに使えるかなと思って載せた次第。ごり押しでもよいと思います。私の訳は、それができる人は越権行為をするし、それが出来ない人は権利を振り回す。

Posted by メイ at 2008年07月21日 12:01

ありがとうございました。ロシア人たちはどういうシチュエーションで使っているのですか?
こうなると「ずうずうしさも一芸のうち」という感じですね(笑)
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カザフスタンなどでは、所轄官庁の役人に対して、一度収賄について取り締まりがあった後に、許可がなかなかおりなくなり、いっそう巧妙なつけとどけ(娘を秘書として日本の会社に斡旋したり)が必要になったとき、当社の社員が使っていました。

Posted by メイ at 2008年07月21日 20:04
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