2007年03月22日
●帯研(第70回)
ロシア語の語勘を高めるために、ロシア人の日本専門家の書いた日本関係の本を若い頃はかなり読んだ。年鑑Японияなど23冊ぐらい徹底的に読んだ。今になって思えば功罪相半ばというところではないかと思う。ロシア語で日本の事例を説明しているので、ロシア語の動詞句の使い方がよく分かる反面、日本独特のものをロシア語で説明する際にはかなりロシア語で無理をせざるを得ないのではないか。そのためロシア語も普通の用法ではない使い方になる場合がある。それと当たり前だが、こういう勉強を続けているとロシア的なものがいつまで経っても分からないということである。日本関係は1冊か2冊徹底的に読んで、最初はよく分からなくとも、後はロシア的なものを読んで行った方がよいとこの頃思うようになった。
- Что сказал отец, когда узнал , что ты разбил его автомобиль?
- Ругательства опустить?
- Разумеется.
- Ни слова.
設問1)和訳せよ。オチを説明せよ。
ロシア的ニュアンス、ぜひ身に(?)つけたいです。頭で覚えると数時間後には忘れています。さとうさんがあちこちに書かれている使える言い回しは「使える」(笑)と思いますが。
和訳です。
「おまえがお父さんの車を壊したのを知って、お父さんは何て言った?」
「罵詈雑言を抜かしてかい?」
「もちろん」
「一言もなかったね」
オチ)
お父さんはありとあらゆる罵詈雑言(ほとんど卑猥なことばですか?)=русский матを使って息子を叱りつけたのだと思います。よく考えてみればそれ以外のことばは一言もなかった、ということでしょうか。русский матは生活に必要なことばをすべて網羅しているそうですが。
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訳は完璧です。最後の一言も日本語としても私の訳よりよくできています。これ以上の訳は難しいでしょう。ただロシア語の小話そのものがあまり面白くないのが残念ですが。私の訳は、
お前がお父さんの車をぶっつけて壊したことを知ったときに、お父さん何て言ったんだ?」
「罵詈雑言抜きで?」
「もちろんだよ」
「一言も」