2007年02月18日

●帯研(第56回)

サイトでロシア語関係の大学の講座を見ていると、通訳コースや同時通訳コースというのがある。生徒の人気を集めるためだろうが、ロシア語の初歩から始めた生徒がこういうレベルに2年や3年でなれると考えるのはおかしいし、そう考える生徒も無論おかしい。ロシア語はそれほど甘いものではない。中学で始める英語ですら、ごく一部の人たち(高校時代に留学したとか)は別にして、大学で同時通訳のコースを受講できる資格のある人はそんなにいまい。ましてやロシア語はである。生徒に気を引くばかりで実利のないコースを設けるくらいなら、自己通訳コースというのを設ければよい。つまり自分の言いたいこと(あるいは自分の口癖)や自分のよく使う日本語の構文(「~じゃない」とか「~が大事よねだ」とか「~かもね」の類)をロシア語にする練習を徹底的にする。自分の好きな分野(テレビでも、歌でも)ならロシア人に説明できるようなレベルに鍛えるというふうにすればよい。構文が使えれば後は単語の入れ替えだから実戦向きだと思うが如何?チェーホフやドストエフスキーの講読は教えられても、生徒にこのようなロシア語を教えられる先生がほとんどいないだろうとは思うが。
Штирлиц стрелял из двух пистолетов по очереди. Очередь за пивом заметно редела.
設問1)オチが分かるように訳せ。

Posted by SATOH at 2007年02月18日 20:08
コメント

構文の練習は大切ですね。音読しながらやればロシア語で使う口まわりの筋肉を刺激できますし。5分でもいいから毎日やろうとはしていますが・・・

<和訳です>
シュテルリッツは強烈(行列)に2丁拳銃をぶっ放した。ビールを狙った銃弾(集団)はみるみるうちに少なくなった。

今回はочередьの意味がポイントですね。第1文のпо очередиに「列を狙って」と「次々に」、第2文のОчередь за пивом に「ビールを買いにきた行列」と「ビールを狙った弾丸」にそれぞれ二つの意味がかけられていると考えました。和訳はちょっと苦しいです。
(стрелятьには「せびる、たかる」という意味もあるのでしょうか。BarronのRussian Slang辞典に載ってました。その意味だとすると、из двух пистолетовは「ジョッキ2杯」なんていう意味になったりして・・・とあれこれ推測してまたあらぬことを考えそうなのでやめておきます。)
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なかなかよい訳です。高橋さんの得意分野でしょう。私の訳は、
シュチールリッツは二丁拳銃で順番に撃ちました。ビール待ちの順番は目に見えて減りました。
解説)по очереди(順番に)のпо を撃つ相手に対する前置詞としても使っている。

Posted by takahashi at 2007年02月21日 11:55

すごいですね。takahashiさん、名文ですね。よくこんなにぴったりの言葉が出てくるものだと感心します。止まるところを知らない勢いにおされて今回私はパスです(笑)

Posted by メイ at 2007年02月22日 20:48

メイさん、あまり誉めないでください。いい気になってまた大きな頓珍漢をしそうです。

Posted by takahashi at 2007年02月23日 19:11
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