2020年02月03日
●第138回
начинает.
(雇わないというなら、それも結構)Не берут на работу – не надо!
4-1-2-1 予定の用法の特性
予定の用法で重要なのは、明示されているかどうかにかかわらず、未来における時を示す状況語が文の焦点であるということである。これがなければ形式上、現在の時制の過程の用法と区別できない。完了体は刻々と動く動作のその瞬間を表現できないが、この場合不完了体は時を示す状況語を示すだけで、動作については特に意識しないという違いがある。この用法は元々が過程の用法から発展してきたものと考えられ、未来進行形とでも呼べるもので、未来への動作が今行われている動作から連続するという意識があるときに使われる。予定を組むというのは話し手にとって、主観的動作ではあるが、一旦予定が組まれてしまえば、それは主観的動作ではなくなり、惰性的な動作でもあるゆえに、不完了体が用いられるとも考えられる。つまり予定は未定であり、決定ではない動作のゆえに完了体は用いられないとも言える。
形式が不完了体動詞現在形なので、より一般的な規則的反復の用法と紛らわしい。この予定の意味で使うためには未来であることを示す状況語か、前後の文脈で動作が直近の未来に関係するのだという前提が必要である。現実的には不完了体動詞未来形の使用に対して制限のある運動の動詞とか、近接未来ближайшее будущее(発話時点のすぐ後に続くか、発話時点と融合した未来)の動作で、起こって当然という場合に使われることが多く、それ以外では、直近の未来でない場合は不完了体動詞未来形が、主観的ニュアンスのある場合は完了体動詞未来形が用いられる。
予定という用法は、意志を無視するというのではないが、意志を念頭に置かない。これは決められた線路の上を、先に先にと走る電車と同じだと考えればよい。話し手にとって表現しようという動作が新規の事柄だという意識はない事になる。もし文脈においてまったく別の事柄(新規の事柄)だという意識があれば、完了体動詞未来形を使う事になる。予定の用法に使われる動詞には、動作の開始の意味が程度の多寡はあれ語義に含まれている。つまり動作の開始を示す不完了体の動詞「~する」なら、下記に挙げる動詞の他にもこの用法が文脈によって使える可能性があると言える。逆に言えば、この用法で使えないのは、状態動詞、反復の動詞(多回動詞を含む)、遂行動詞(запрещаться〔禁止する〕を除く)など過程の意味で使えない動詞ということだが、多義の動詞は語義によっては使える場合がある。これは先に述べたように、この用法が過程の意味から発展したと思われるからである。
4-1-2-2 予定の用法が使える動詞
予定と言っても近接未来ближайшее будущее(発話時点のすぐ後に続くか、発話時点と融合した未来)の動作に関して使われるものがほとんどである。現在確認されている予定の用法が使える動詞群を下記に示すが、これらの動詞は完了体の役割である新しい事態や情報が出てきたことを強調するのでなければ、近接未来の予定の意味で使えるという意味である。定動詞のうち8つは*で表示し、アナウンスなど公的な場で使われる動詞は#で表示した。
аккомпанировать(伴奏する)、бежать*(走る)、бить(殴る)、брать(取る)、везти*(車で運ぶ)、вести*(連れて行く)、взрывать(爆破する)、возвращаться(戻る)、вставать(起きる)、встречать(出迎える)、встречаться(会う)、выводить(引き会わす)、выезжать(車で出動する)、вылетать#(飛行機で出発する)、выписываться(退院する)、выполнять(遂行する)、выступать(発言する、出演する、進発する)、выходить(降りる)、гулять(散歩する)、давать банкет(午餐会を催す)、давать присягу(宣誓する)、