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●和文露訳要覧第433回
С Новым годом!
ロシアに関することはロシア成立の9世紀から現在に至るまで、ロシアの歴史に興味があるが、特に庶民文化(芸能)が華やかだったネップнэп(新経済政策)の時代である1922年ごろから1930年に関心がある。時代を映す鏡というのは流行歌もその一つであり、その中でレオニート・ウチョーソフЛеонид Утёсовが1929年『移動共和国』Республика на колёсахで紹介しС одесского кичмана(オデッサのムショから)が大好きである。歌詞はオデッサの刑務所から脱獄した悪党の末路をうたったもので、当局はあまりいい顔はしなかったとはいえ1930年代にソ連中で大ヒットした。作者は不明だが、19世紀にロシアに入ってきたハイネの詩の露訳にも、ロシア軍から脱走したフランス兵をうたったものに似たものがあるという。『ネップ時代の歌と娯楽』Песни и развлечения эпохи нэпа, Кравчинский, Деком, 2018によれば、トビリシでフェリケリマンМихаил Ферькельманが1924年に作ったものだという。このような悪党урка, уркаган, вор в законеを主題にしたромансは現代にも受け継げられていて、шансонとして分野が確立している。ただ歌詞が隠語(それほど難しいものではないにせよ)が多用されているので注意が必要だが、今はネットを調べる根気があれば隠語の意味も分かるようになっているので、あまり問題はなかろう、同書には100曲ネップ時代の曲が収められていて、エセーニンの『母への手紙Письмо матери』(録音が良くないが)も収められている。
出題)「彼らが劇場の評議会で働くのは物理的に不可能だった」をロシア語にせよ。