2018年08月31日
2018年08月29日
●和文露訳要覧第389回
Никита Карацупа(1910~1994)の『追跡者の手記』Записки следопытаを読んだ。彼は伝説的国境警備隊員であり、20キロ、30キロも探知犬イングースと共に何人もの密漁者、密入国者、スパイを追いかけて、つかまえたという。特に30年代極東に配置され、日本軍スパイをつかまえたことなどが興味深い。越境に関して、国境警備隊の側から描いたものは読んだことがなかったので、面白かった。語彙を増やすためにはいろいろなものを読むべきであり、この本はネットで無料で読めるのもありがたい。
出題)「でも前もって1週間分水薬を昨日処方したばかりですよ」をロシア語にせよ。
2018年08月24日
2018年08月22日
2018年08月17日
2018年08月15日
2018年08月14日
2018年08月09日
●和文露訳要覧第383回
『皇太子東洋旅行記』Путешествие на Восток наследника цасаревича, Ухтомский, ЭКСМО, 2017
1890年から1891年にかけて9ヶ月半ロシア皇太子ニコライ(後のニコライ2世)の世界歴訪に随行したウフトームスキー(1861~1921)公爵の旅行記。父君アレクサンドル3世の指示によるもので、頼りない子を思う皇帝修行の卒業試験の一環として行われたものであろう。440ページの著書の中で日本に触れているのは20頁ほどだが、大津事件にも2ページほど触れており、津田三蔵の逮捕直後の表情が記載されているのが興味深い。それ以外は皇太子同行の公式記録のようなもので、特に面白くはない。
出題)「国事院は政争の場と化した」をロシア語にせよ。
2018年08月07日
●和文露訳要覧第382回
ソ連時代から有名なタバコ会社ヤーワЯваで半世紀の間技術および経営分野のトップを勤めたシネーリニコフ(1939年生)の回想録Дело - табак, Синельников, Издательский дом, 2017を読んだ。1962年タバコ会社ヤーワ(1856年カライム人の商人ガバイにより創業、1912年からジャワ島のタバコで口付きタバコを製造、社名は1922年からでそれに由来)入社、1966年技師長、1982年社長。これまであまり知られることのなかったソ連時代のメーカー経営の内側を興味深く伝えている。企業とて共産党の指導下にあったわけで、共産党幹部や企業幹部の強権的な指導体制がソ連崩壊の根本原因だったというのは達観である。企業におけるアルコール中毒、材料の違法持ち出し、生産に関わる違法行為の罰金支払いなど経営トップならではの事例が具体的に紹介されている。ソ連末期、ソ連崩壊、そして新生ロシアでの企業トップとして波乱の時代をどう乗り切ったが具体的に描かれ、非常に興味深い。ゴルバチョフソ連大統領、モスクワ市長Лужков、ソ連末期の首相Рыжков、エリツィン時代の財政改革の取り組んだГайдарを非常に高く評価している。標題は「八方塞」と「仕事はタバコ」をかけている。
出題)「酔っ払い運転はよくある問題である」をロシア語にせよ。