2020年02月02日

●第124回

鉄における現実の会話では、予定の用法であるВы выходите?という会話を聞く方が圧倒的に多い。車両の出口のそばに立っていたら降りるのは当然と考えるのが普通だからだ。だからこの文は、降りるかどうか、見た感じでは分からないときに使うと考えればよい>
(お座りになりますか?〔電車、バスの中で〕)Вы будете садиться?

 平叙文の場合は、動作の有無の(するかしないかの)選択が終わり、未来において「する(これから動作が有る、起こる)」ということを述べているにすぎない。否定文であれば、その逆で「しない(無)」という選択をしたことになる。(4-1-1-6項参照)

(いいですか、もし30分以内にこの隊列を出発させないのなら、上に報告します)Слушайте! Если вы в течение получаса не отправите этого эшелона – я буду докладывать выше. <話し手に主観的ニュアンスはないが、回りの状況によって、хотеть, собиратьсяというような意向のニュアンスが出てくる場合もある>

 статьの未来形 + 不完了体動詞不定形はбытьの未来形 + 不完了体動詞不定形と違って、стать自体が完了体のため、主体的な意志(意思)の意味で使えるが、用例は少ない。下記の文では「屋外に」に文の焦点が来ている。статьの語義から始発や意図のニュアンスがある。

(私たちは屋外で夕食をとるつもりです)Мы станем ужинать на воздухе.
(彼は読書するつもりだ)Он станет читать.

бытьの未来形と形容詞短語尾の組み合わせで意向の意味が出る場合もある。

(手短に申し上げます)Я буду краток.

<動作事実の有無の確認のまとめ>

 2-1-1-1項において過去の時制の動作事実の有無の確認について述べたが、動作事実の有無の確認の用法は過去、未来のみならず、現在や不定法にもある。そこで動作事実の有無の確認のまとめをしておこう。現在の時制では動作の有無が動作の前提となっており、さらに過程などの用法が重なって体の特徴を形作るため、詳細は3-1を参照されたい。
完了体は不完了体と違い、1回の具体的動作を示す。単なる具体的動作ではなく、1回の、「いつ」、つまり期間ではなく、時間軸の1点момент времениにおける過去や未来における具体的動作であって、場所ではない。そのため疑問詞との組み合わせでは、疑問詞に文の焦点が来ることが多いこともあり、不完了体が来ることが多い。
一方、体の用法を完了体の側からではなく、不完了体の側から見れば、不完了体の本質は動作事実の有無の確認であり、これは主語 + 動詞の疑問文という構文なら理解しやすいだろう。

(お昼召しあがりになりましたか?)Вы обедали? <昼を食べたかどうか聞いているだけで、文字通り他意はない>
(スヴェルクーノヴォ、次の駅はドロフェーエヴォ!お降りになる方はいらっしゃいますか?)Сверкуново, следующая – Дорофеево! Будет кто выходить? <未来の時制の場合бытьの未来形が動作の有無の指標となっている>
(具だくさんスープを食べるかい、そこの彼氏?)Похлёбку есть будешь, кавалер? <同上>

しかし、補語が付加されるにつれて、内容はより具体的になってゆくわ

Posted by SATOH at 2020年02月02日 17:52
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