2020年02月01日
●第110回
方法と理由を聞いているわけで、動作事実の有無の確認と代動詞の機能であり、動詞に文の焦点が来ていないことは明確である>
(彼は自分が殺られたということが分かった)Он понял, что убит.
結果の存続という用法に、結果の現存という言葉を使いたくないのは、文字通り、この用法が必ずしも現在ということではなく、発話の時点に関係するからである。次の文は過去の時制の文であるが、発話の時点が過去であり、結果の存続の用法である。
(雨が降り出したので、我々は散歩に行くことができなった)Пошёл дождь, и мы не могли идти гулять.
остатьсяの過去形の結果の存続の用法と、оставатьсяの現在形の状態の用法は、意味の上で非常に似ている。その使い分けの差は、完了体はその本質として具体的な1回の動作を示すことから、具体的な事柄と共に用いられ、оставатьсяの現在形は抽象的なものと共に用いられるという点にある。
(お前、どのくらい金が残っている?)Сколько денег осталось у тебя?
(出て行くこともできない。残るのは一つ、作り変えることを目指すことだ)Уйти нельзя. Остаётся одно – переделывать.
(矯正も、償いも、忘却もできない。残るのは死だ)Не исправить, не искупить, не забыть... Остаётся смерть.
結果の存続で動作の起点が過去の一点ではなく、以降(~から)を示す事ができる。
(その日から彼は浴びるのほど酒を飲むのををやめた)С того дня он вышел из запоя.
3-2-1-2 結果の存続の否定版
日本語の現在完了も「~していない」という否定文においては、ロシア語に訳す時は3つに分類される。一つ目の、一旦開始された動作が終了していないという意味なら、下記のようにそれぞれ、今も根付いていない、今は残っていない、今の時点では終わっていないという意味で完了体動詞過去形が来る。2-1-2-2項参照。
(お祝をするという伝統はまだ根づいていない)Традиции празднования пока не установились.
(その記念碑は残っていない)Памятник не сохранился.
(休み時間はまだ終わっていない)Перерыв ещё не кончился.
しかし、動作を初めから否定すると、これは動作が現在の時点で存在しないのだから、不完了体動詞現在形の否定と同じことである。3-1-8項で説明したように、初めからの動作の否定には不完了体が用いられるからである。三つ目は、動作自体は行われるのだが、その動作の内容が否定される場合である。「そうは言っていない」というのは、言いかえれば、「そうでない事を言った」ということである。この場合日本語では現在完了なのに、「そうは言っていない」の露訳では下記のように不完了体動詞過去形が来る。これは形式上動作が否定されているので、不完了体が来るという事と、動作の結果が現在の時点まで残っていないので、結果の存続の用法である完了体動詞過去形という形式が使えず、結果存続無効ということになる。3-1-12参照。
(そうは言っていない)Я этого не говорил. <「そうでないことを言っ