2020年01月31日

●第96回

る行為、動作などを示す。状態動詞を便宜上現在の時制で扱っているが、過去、現在、未来の時制を問わず状態動詞は用いられる。3-1-3-1項の過去から過去、現在及び未来に至るまで示したような例もあるが、基本的に状態動詞は動作の開始や終了を問題にしない。そのまま同じ動作が続くという意味では、過程の用法と同様、無意識な動作であり、話し手にとって主観的な動作ではないゆえに不完了体が用いられる。過程と違うのは、質的な変化がない静的な動きстатикаということにある。過去の時制においては、特定の不動の一点ではない、つまり前後から孤立していない時間軸の一点、ないしはそれを含む期間を示す状況語と共に用いられるし、現在の時制、未来の時制においても同様である。
完了体動詞過去形や被動形動詞過去形の現在の時制で用いられる結果の存続(現存)は、動作が終了してその状態が続いている事を示す点では状態動詞に似ているが、状態動詞は動作の状態が継続している。また結果の存続の用法が示す今動作が終了したという動作終了の強調という意味を、状態動詞では示せないという違いもある。しかし、完了体動詞過去形では点過去と結果の存続を区別するのは文脈に依るのであり、状態動詞はその動作の状態にあることを明確に示す事ができるという違いもある。評価解釈型動詞との違いについては、状態動詞は動作の評価をしないという点が挙げられる。
また、окружать(ся)〔囲む、囲んでいる〕、омывать(ся)〔川や海で囲む、囲んでいる〕のように対応の完了体もあり、完了体・不完了体は動作の意味を、不完了体だけで状態の意味を示す動詞もあるので、状態動詞と遂行動詞を区別するために、露露辞典でチェックの必要がある。語義にнаходитьсяやбытьが含まれていれば状態動詞である。状態動詞としては他にвключать(ся)(含まれている)、вмещать(ся)(入っている)、входить(入っている)、лидировать(リードしている)、помещать(ся)(入っている)、содержать(含まれている)などがある。後述の7-3項казаться/показатьсяは体のペアとならない例であるが、これも参照願う。状態動詞には過去から過去、現在及び未来に至る、およびないしは (and/or) 規則的反復の意味もあるので、3-1-3項も参照乞う。また状態動詞と評価解釈型動詞の違いについては3-1-5項および3-1-5-1項を参照願う。状態動詞が現在の時制で近接未来ближайшее будущее(発話時点のすぐ後に続くか、発話時点と融合した未来)を示す事ができることについては3-1-3-5項参照。また状態動詞と未来の時制での反復については4-1-4項参照のこと。

(城は堀で囲まれている)Замок окружается рвом с водой.
(その島はあらゆる方角から水に囲まれている)Остров со всех сторон окружён водой
(この記事は何面に出ていますか?)На какой полосе помещена (помещается) эта статья?
(まさかゲシュタポがわれらのコードをかぎつけたわけがない。それはない)Вряд ли гестапо могло засветить наш код, это исключается. <「ない」というのも状態である。意味的にはисключеноと同じである>

 上の文では、状態動詞であるокружается, помещаетсяと、被動形動詞過去短語尾окружён, помещена と実質的な意味の差はないことになる。違いは、現在時制では被動形動詞過去短語尾は結果の存続から、たった今動作が終了したというニュアンスがあるが、状態動詞では、それ以前からずっとこのような状態であるという意味である。
 3-1-3-1項にあるように、状態動詞は過去から現在までの経過を表すことができる。

(彼は5年くらい車を保有している)Он имеет машину лет пять.

「ままである」という意味ではоставатьсяやпродолжать оставаться,

Posted by SATOH at 2020年01月31日 15:50
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