2020年01月31日

●第93回

の説明というよりは、何かより具体的な事柄に対して、しかも唐突な感じ(新規の事柄として)で使われ、不完了体は場依存型であり、文脈や状況に合わせての、応答であることを意識した補語がないような文脈などで使われる。このように厳密に言えば、評価解釈型動詞には不完了体のみならず、それとペアを成す完了体も含まれるが、完了体動詞過去形は点過去(の結果の存続)の延長であるため、ここでは和文露訳をする上で理解が難しいと思われる不完了体動詞現在形に絞って説明する。

(番号〔ドア〕をお間違えです)Вы ошиблись номером (дверью).

「(この薬)効くね」をロシア語にすると、普通に考えれば、完了体動詞過去形の結果の存続を使って、(薬はすぐ効いた)Лекарство подействовало немедленно.と考える。無論、これはこれで正しいのだが、Действует.と言う方が多い。これには動作の評価と結果の存続が含まれていて、いわゆる評価解釈型動詞の用法である。栄養ドリンクの宣伝だと思うが、「効くぅー」というのがある。この日本語自体は遂行動詞であろうが、このコマーシャルは、「効いた」と同じかというと、少し違うように思う。подействовалは完了体動詞過去形だから、基本的な意味はアオリスト的なものであって、結果の存続というものは文脈に依存する。時制に関していえば、現在と関係があるのかどうかが分かりにくい。一方、Действует.の方は不完了体動詞現在形で現在そのものであり、現在の時制と結びついていることを強くアピールできるから、ロシア語でも、日本語でもこちらの方が会話でよく使われると思われる。同じことは、バレー、柔道などの技の練習をしているときに、その技ができたときは、(万歳、やったー〔技が使えた〕)Ура, работает!というが、このработаетも結果の評価と結果の存続の意味があり、この意味では評価解釈型動詞である。
 遂行動詞もуже(すでに)と共に結果の存続を、さらにхорошо(よく)などの評価を示す状況語と組み合わせることで、評価解釈型動詞となることがある。また3-1-6-2項も参照乞う。

(もうロシア語がうまく話せますね)Вы уже хорошо говорите по-русски.

3-1-5-2 評価解釈型動詞群

 この動詞に含まれるのは、下記の動詞群であるが、この用法だけで使われるという意味ではない。文脈によっては過程や反復、状態の用法でも使われるものもある。

брать на понт(はったりをかける)、видеть(目にする)、врать(法螺を吹く)、выигрывать(勝つ)、выручать(救い出す)、говорить неправду(嘘をつく)、грешить(〔道徳的〕罪を犯す)、действовать(効いている)、догадываться(推測する)、заблуждаться(誤解する)、забывать(忘れる)、забываться(言葉が過ぎる)、издеваться(馬鹿にする)、изменять(浮気する)、искупать(罪滅ぼしをする)、карать(懲らしめる)、каркать(不吉なことを言う)、клеветать(中傷する)、кривить душой(嘘をつく)、лететь(飛行機に乗る)、лгать(嘘をつく)、лишать(なくす)、мешать(邪魔をする)、наказывать(罰する)、нарушать правила(規則を破る)、обвинять(告訴する)、обвиняться(告訴されている)、обманывать(ごまかす)、оплошать(へまをする)、оценивать(評価する)、оцениваться(評価される)、ошибаться(間違える)、переоценивать(過大評価する)、подозревать(~ではないかと疑う)、попустительствовать(見て見ぬふりをする)、поступать правильно (неправильно)(正しく〔間違って〕行動する)、потворствовать(大目に見る)、преступать закон(法を犯す)、преувеличивать(過大評価する)、преуменьшать(過小評価する)、придумывать(思いつく)、принимать(誤認する)、проигрывать(負ける)、происходить(出自が~である)、прыгать(話が飛ぶ)、путать(間違える)、

Posted by SATOH at 2020年01月31日 15:35
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