2020年01月31日
●第81回
(弊社一行が2012年9月27日車納入取引締結の事前交渉のため、貴社を訪問することをお伝え申し上げます)Сообщаем Вам, что наша делегация прибудет к Вам 27 сентября 2012 г. на предварительные переговоры по заключению сделки на поставку машин.
上記の文はまさに、この言葉によって連絡する行為を遂行することを意味する。この他にも「連絡する」という意味のシノニム(同義語を含む類義語)の内、оповещать, осведомлятьを除く、информировать, извещать, уведомлять, докладывать, доносить, заявлять, объявлять, предупеждатьにも遂行動詞としての用法がある。
次の会話の初めの文は新しい事態や情報が出てくる場合だからПопроситеと完了体が来ており、その答えであるその後の文には遂行動詞のспрашиватьが来ていることが分かる。
「佐藤さんをお願いします」Попросите, пожалуйста, к телефону, господина Сато. <電話で、電話でなければ日本語の「頼もう」という案内を乞う用法に似ている>
「〔上の文の電話の相手に対して〕どちら様ですか?」Кто его спрашивает?
多くの遂行動詞は動作が始まって終了することを意味するから、純粋な意味の過程の用法ではない。ゆえに遂行動詞は過程の用法から発達した不完了体動詞現在形にある予定の意味はもたないのが普通である。そのため「(未来において)~する」という予定の意味では、対応の完了体動詞未来形を使わざるを得ないと思われる。例外はзапрещатьぐらいであろう。
(2012年1月1日よりロシアでは、間接税支払済印紙の〔貼って〕ないアルコール度数9%未満のアルコール製品の生産および輸入は禁止される)С 1 января 2012 года в России запрещается производство и импорт алкогольной продукции крепостью менее 9 градусов без нанесения акцизных марок. <2011年12月23日付の記事>
上の文から、запрещатьが予定の意味でも使えることが分かる。また現在の時点でも、過去から過去、現在及び未来に至るという用法でまったく同じ文が使えることが分かる。遂行動詞と言われるものでもзапрещатьは、伝達というよりは動作の未遂行の用法(3-1-3-2項参照)が多いと、アプレシャーンАпресян Ю.Д. 先生が述べている所以でもある。
完了体未来形の完遂的用法で時の状況語がついているものは動作がいつか分かるが、ついていないものは一瞬後かそれ以降のどのくらい先の未来なのかが分からない。時の状況語がなければ文脈にもよるが、一瞬後と考えるのが普通である。時の状況語のない完了体未来形の完遂的用法と遂行動詞を、会話における和文露訳においてはどのように使い分けたらよいのだろう?遂行動詞は発話と共に動作が始まり、発話の終了と共に動作が終わるが、完遂的用法では動作が始まるのは早くて一瞬後である。だから、下記の(投票にかけます。反対の人?)の場合は、「投票にかけます」の後に「反対の人?」と続いているので、投票にかけるという動作は、「反対の人?」という文の前には終わっている(聞き手に伝わっている)ことになり、そのため完了体未来形の完遂的用法は使えず、次のように「投票にかけます」と言い終った瞬間に動作の終わる遂行動詞を使うことになる。完遂的用法では、「反対の人?」の前で動作に終わっていないことになる。
Ставлю на голосование! Кто против? <会話でПоставлюと完了体未来形にするためには、голосованиеとКто против!の間をやや長めにとるか、такなどを入れる工夫が必要かと思われる>