2020年01月31日

●第72回

(エレベーター修理中)Лифт на ремонте. <в ремонтеでも同義。ремонтируемыйは「修理中の」という修飾語>
(会議中)Идёт совещание.
(彼は今会議中ですが、後10分ほどで終わります)Он сейчас на совещании, но оно окончится минут через десять,

3-1-2 規則的反復・習慣・慣用・性質 → 不完了体動詞現在形

 過程(進行形)は進行する動作の平面が開放的であるが、円とか四角や不規則な形でも、ループのように始点と終点が一致する閉道を動けば、動作は反復することになる。定動詞のようにこれは池の回りをぐるりと何度も一方向に歩いたり、走ったりすることをイメージするとよい。この動作自体は過程であり、不完了体は過程も示せるのだから、ここから2-1-6項で説明した規則的(偶発的ではない)反復も示す事ができるという理屈になる。
反復にも動作の一括化(連続する反復、2-2-1-5項)や例示的反復(2-2-5項)、規則的(定期的)反復、多くの回数の繰り返しがある。「完了体は刻々と動く動作のその瞬間を表現できない」ことから派生して、反復という用法の中の、動作の一括化(連続する反復、2-2-1-5項)や例示的反復(2-2-5項)は完了体の受け持ちとなり、「不完了体は話し手が動作遂行の結果として、時間軸の特定かつ不動の一点(到達点)をイメージしない」、つまり規則的反復や多くの回数の繰り返しは動作の特定かつ不動の一点にないことは明らかなので、不完了体で表現することになったのだと考えられる。継続や反復という用法は不完了体の本質ではなく、文脈や状況語によるとフォーサイス先生も述べておられるが、これは規則的反復であろう。つまり不完了体は動作や状態の素材そのものであり、多回動詞のように語義に反復が含まれるものは除いて、動作が1回で終わるという限定もないゆえに、文脈やその他の状況語によって規則的反復、習慣、慣用、性質などに色づけされることになると言える。

3-1-2-1 規則的反復・習慣・慣用・性質と不完了体

規則的反復повторяемостьや、性質、慣用を含む習慣的動作обычное действиеというのは、毎朝というような同一主体の反復である習慣(定期的な反復)のほかに、不定期でも何回も起きることを前提とするような動作や出来事、および「(一般的には)~することになっている」という起きるという事を前提とした日常の動作(習慣や慣用)を指す。文法的には一定、ないし時間的感覚によって分割された同一動作の多回的再現ということになり、現在の時制では不完了体動詞現在形で示すことになる。規則的反復には途中で止めて、それを繰り返すという動作もある。
一方、本書で言う例示的反復(2-2-5項)というのは、ある条件がそろえば起こるが、そろわなければ起こらないという出来事や動作に関連するもので、主観的判断が関係した完了体動詞未来形の例示的用法(4-2-3項参照)で扱う。体の使い分けを学ぶ際には、この違いを明確に理解することが必要である。2-1-6項や3-1-2項も参照願う。
この項で扱う規則的反復・習慣の用法は恒常的反復、慣用、動作の一般化とも呼ばれる。現在におけるの規則的反復・習慣では、その動作に必ず現在の一点が含まれるために現在時制であり、過去の規則的反復(2-1-6項参照)や慣用(2-1-5項参照)では過去時制である。動作そのものを示しているために動作事実の有無の確認(動作の名指し)として不完了体が用いられるという事も言える。また場に新しい要素を持ち込まない、つまり場独立型ではないということであり、場依存型の典型であるために不完了体が用いられるとも言える。不完了体の本質である動作事実の有無の確認というのは、動詞の基本的(一般的)な意味であり、1回の動作、時間や場所という具体性を特に想定していないために、また文脈によっては、1回であることを規定しないために規則的反復の意味を持つことができる。

Posted by SATOH at 2020年01月31日 03:07
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