2020年01月29日

●第61回


(またご飯の前に手を洗わなかったわね)Опять руки не помыл перед едой.

2-2-3 動作の取りやめ(いったん開始された行為の中断、中止) → 小詞было + 完了体動詞過去形

なされた動作の中止や、動作が実現されなかったことを示すには、仮定法過去や過去の時制における不可能の用法を用いるのが普通である。

(もうちょっとのところで、ブルガリア大公におなりになれたのに)Немного ещё, и вы были бы болгарским князем.
(こんなに成功するとは夢にも思わなかったろう)О таком успехе он не мог и мечтать. <日本語では仮定法過去のような感じなのだが、ロシア語では過去の時制の不可能で処理している例>
(「パケレッタ」のリハーサルはプリマバレリーナのカモーリナ・レザーチにとって悲劇に終わった可能性もあったのである)Репетиция «Пакеретты» могла закончиться для болерины Камолины Резати трагически.

 しかし、助詞のбылоは「~しかけたが、(結局)しなかった」、「~しかけて~するのを止めた」という意味で、いったん開始された行為の中断、無効を示すことができる。述語に文の焦点が来ているため、過去形の動詞と共に用いるが、完了体動詞過去形が普通で、不完了体動詞過去形で用いられるのは主観的(叙想的)な要素を持つхотеть, думать, собиратьсяぐらいであろう。この用法は7-7項の動作の無効の一つである。

(車は動きかけたが、彼は車を止めた)Машина было тронулась; но он остановил её.
(彼はコースチャに何かを尋ねようとしたが、折よく思い直した)Он хотел было попытаться что-то спросить у Кости, но вовремя опомнился.
(気流に乗りかけたが、凧はなぜか断崖の斜面を下にすべっていった)Подхваченный было потоком воздуха, змей почему-то скользнул вниз по склону обрыва.
(ソーニャは出かけるつもりだったが、読書大会が父の誕生日と重なったので止めた)Соня собирался было пойти, но читательская конференция совпала с днём рождения отца.

反復を意味するときには不完了体を使うことができる。

(彼が座ろうとするたびに、すぐにまた立ちあがった)Каждый раз он садился было, но сразу же вставал снова.

 またчуть было неやедва неを使っても、同じ意味を示す事ができる。

(もう少しで死ぬところだった)Чуть было не умер.
(危うく汽車に遅れるところだった)Чуть было не опоздал на поезд.
(あるときある湿地で我々は危うく溺れるところだった)Однажды мы едва не утонул в какой-то трясине.

ちなみにбылоは一旦開始された行為の中止だけではなく、被動形動詞過去ないしは能動形動詞過去との組み合わせで、動作や状態が一定の時間続いたという意味をも示すことができる。

(撃破されそうになった東ローマ軍は彼の指揮下で敵との戦闘に突入した)Под его предводительством разбитые было ромеи вступили в бой с врагами.
(明け方3時頃少しウトウトしていたドゥードロフはゴルドンのモソモ

Posted by SATOH at 2020年01月29日 17:16
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