2020年01月29日

●第59回

(何回かゴクゴクとコーヒーを飲んだ)Он сделал несколько глотков кофе.
(膝関節をほぐしながら素早く何度か屈伸した)Несколько раз быстро присел, разминая коленные суставы.

 каждый, любой, всякийのような代名詞は語義的に規則的反復で用いられる場合が多いが、稀に完了体と共に、動作の一括化で用いられる場合もある。
(あるとき彼ら各々に全く同じ質問が出された)Как-то каждому из них задали один и тот же вопрос:

 過去や現在の時制で動作の一括化を示す事ができるのは、被動形動詞過去短語尾ぐらいであろう。

(この資本から私の父はたった三千から四千を異なる時期に受け取った)Из этого капитала разновременно получено было отцом моим только от трёх до четырёх тысяч. <разновременно = в разное время>
(ラッカーを10回塗り重ねてある)Лак положен в десять слоёв.
(私の兄は3度逮捕されたが、毎回私はたゆまず彼のために奔走した。だからこそ結局うまくいったんだ)Мой старший брат был арестован трижды, каждый раз я неустанно хлопотал за него - и ведь удалось же в конце концов добиться успеха!

 不定法でも、命令法でも動作の一括化はあり、あまり例がないとはいえ、未来の時制でも完了体動詞未来形を用いて動作の一括化を示す事ができる。

(その音を正しく発音するために、何度か聴き通す必要があります)Чтобы правильно произнести звук, надо несколько раз прослушать.
(船体を緑の塗料で2度塗りして下さい)Покрасьте корпус судна зелёной краской в два слоя.
(それらを何度か読み通すよ)Я их несколько раз прочту.
(最初は何度か本文を聴いて見る)Я сначала несколько раз прослушаю текст.
(自分が間違ったことをしてしまうより何度か人に尋ねた方がよい)Лучше несколько раз переспрошу, чем неправильно сделаю.

 否定文でも使える場合がある。

(幾晩もよく眠れない)Несколько ночей не доспал.

2-2-1-6 否定の強調

 点過去というのは、過去の不動の一点において1回具体的な動作が行われたことを示すのだが、これを否定文に使えば、具体的な一度の動作の否定ということになる。「一度も~ない」というのは、過去の一点にすら注目しないという主観的ニュアンスを帯びるわけで、これは否定の強調であり、そういう意味で、否定の強調も点過去と理解される。それゆえ、「一度も~しなかった」ни один (одна, одно), ни разуやещё не(まだ~でない)、даже(さえも)を伴うときに、単一的動作の否定を通して、完了体の否定の意味が強められるため完了体動詞過去形が用いられる。また否定の強調には、強調という主観的ニュアンスがあり、動詞に焦点が来ているから完了体が用いられていると考えることもできる。この用法は磯谷孝先生の言う否定的一括化である。現在の時制の経験(3-1-7項、3-2-3項)も参照願う。
ちなみにникогдаは過去、現在、未来の時制で使われるが、過去の時制では完了体と使われることはあまりなく、不完了体とともに用いられる

Posted by SATOH at 2020年01月29日 04:40
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