2020年01月31日

●第104回

(ナースチャは手を抜かずに、映画会館や、メモにある劇場に電話をかけまくった)Настя не поленилась, обзвонила и Дом кино, и указанные в записях театры.

過去から現在に至る動作の否定には、不完了体過去形の動作事実の無の確認を用いるべきである。動作事実の無の確認においては大過去(過去のさらに過去、過去完了)、つまりある過去の一点から別の過去の一点まで動作がなかったことを示す他に、過去から現在に至るまでの動作がなかったことを示す事ができるからである。つまり過去から現在に至る動作の否定は、3-1-7-2項の経験の否定と同じである。

(彼は火曜から電話して来ないのかい?)Он не звонил со вторника? <現在に至るまで動作がない、なかったことを示す>
(家賃をもう2カ月溜めている。そこに行くのが怖い)А за квартиру я уже два месяца не платил. Боюсь туда идти.
(お探しになったが、それでも彼は返事をよこさなかったのですか?)Вы искали, и он не отвечал? <動作事実の有の確認と動作事実の無の確認>

 забыть忘れる、потерять失う、разбить割る、сломать壊す、убить殺す、ударить殴る、уронитьなくす、などの瞬間動作動詞(瞬時の移行・変化を示す動詞)の不完了体は過程を示す事ができないが、このような動詞を除き、過程や状態を示す不完了体動詞現在形の否定で、過去から現在に至るまでの動作の否定を示す事ができる。この場合今現在その動作がないことに話し手の関心が向いている。

(コンピューターが昨日から動かない)Компьютер не работает со вчерашнего дня.

3-1-9 多回動詞の用法 → 多回動詞の不完了体動詞

 多回動詞は不完了体動詞から派生した不完了体動詞であり、完了する動作の規則的反復や多くの回数行われる動作の表現に特化し、主に過去の時制で使われ、多くは-ыватьや-иватьの接尾辞を持つ。この動詞を使った例を過去と現在の時制をまとめて紹介する。完了体動詞から派生した不完了体動詞で-ыватьや-иватьの接尾辞を持つものもあるが、多回動詞と違い、動詞により、規則的反復のみならず、過程、動作事実の有無の確認(過去の時制)の意味をもつが、規則的反復の用法が多い。

(奴はいい奴だ。ただ時々飲むんだよ)Он человек хороший, правда, иногда выпивает.
(私は毎朝その新聞を全部読む)Каждое утро я прочитываю газету. <читаюを使うと、用法的には規則的反復・習慣だが、新聞の第1面だけとか、テレビ欄だけとか、必ずしも全部読み通す(読了する)と言う意味にはならない>

 「~したものだった(である)」を露訳するときに、まず頭に浮かぶのは過去の例示的反復である、完了体動詞未来形を使った例示的用法である。しかも例示的用法であっても、過去の時制では動作が起こらなかったという可能性はない。また動作が頻繁であれば(規則的反復も含まれるので)、不完了体動詞過去形が用いられるが、過去形で多回動詞を使うという手もある。
多回動詞は不完了体から規則的反復のために派生した動詞で、過去の時制でよく使われ、口語的俗語的ニュアンスがある。ただбыватьは例外で、すべての時制および不定法でも等しく使われる。命令形のБывай(те).は俗語的な別れの挨拶で、「じゃあな、あばよ」に相当する。多回動詞に

Posted by SATOH at 2020年01月31日 17:09
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