2020年01月31日
●第103回
(彼らが一緒のところを我々が見るのはこれが初めてだ)Это первый раз, когда мы видим их вместе.
(寿司を食べるのは初めてですか?)Вы впервые едите суши?
(ここは初めてです)Я здесь впервые.
(飛行機〔に乗るのは〕は初めてですか?)Вы в первый раз летите самолётом?
経験との継続の用法との組み合わせは下記の通りである。
(30年代の中ごろ以来私はナチに対しのぼせあがったことはない)Начиная с середины тридцатых годов я не обольщался в отношении к нацистам.
3-1-8 動作の否定 → 不完了体動詞現在形の否定
不完了体動詞現在形の否定は現在の時点で、単に動作が行われていないという事であり、その動作には主観的ニュアンスがない事を示している。ここからある一定の期間(文脈によっては今後)動作が行われない、動作が起きないという非現実性を示すことにもなる。неなどの否定詞が話し手の主観を示す叙想語модальные словаとして、生(き)のままの動詞の語義(動作)そのものを否定しているため、また動作の焦点は否定詞に来て、動詞には来ないので、不完了体動詞現在形が来るとも考えられる。同様に過去の時制や未来の時制であれば、不完了体動詞過去形や未来形の否定が来る。不可能の場合は可能性という主観的ニュアンスを示すので、完了体動詞未来形の否定形を用いる。
不完了体は過去・現在・未来の時制において動作の全否定を示し、完了体は過去や未来の時制において限定否定(具体的な1回の動作の否定)を示す。
(話を単純にするためこれについて今は述べない)Я не говорю сейчас об этом простоты ради.
(誉めもけなしもしない)Я не хвалю и не хулю.
不完了体は無色の、付加的なニュアンスのない動作や状態そのものであるために、無色である不完了体は与えられた状況に応じていろいろな色に染まりやすい。切迫感、焦燥感などの感情的なニュアンスや、継続や反復を示す副詞(句)と共に、経過や反復といった役割を帯びることもあるが、それらが不完了体の本質ではない。それゆえ不完了体を否定すれば、動作の未着手や状態の否定を示すことになるのもうなずける。また動作遂行の意味は完了体が担うため、未着手の動作や嫌気、禁止、不必要も含めて一般的に動作を否定するのには、不完了体の否定形が使われるという磯谷孝先生のご説明もある。しかし、上の最後の文のように、否定文ではあるが、反復や慣用の意味が文脈によって派生するという例もある。多回動詞の動作の否定については3-1-9項参照のこと。
(冬はまだ終わっていない)Зима ещё не кончается.
上の文だと、終わるという動作が始まっていないという事(未着手の動作)を意味する。一方、完了体動詞過去形を使って、Зима ещё не кончилась. だと終わる動作は始まったが、終了していないということになる。2-1-2-2項や8-2-4項も参照願う。
語義に動作の否定的ニュアンスのある動詞を否定すれば、動作を肯定的にとらえるというような主観的なニュアンスに変わるということで、完了体が用いられる。これは動詞にもよるが、過去、未来の時制、命令法、不定法での完了体に共通する否定の用法と言える。