2020年01月28日

●第51回

перед большой аудиторией.

2-1-11 過去の経験 → 不完了体動詞過去形

 「~したことがない」ではなくて、「~したことがなかった」と過去の経験にしたいならば、具体的な過去を示す時の状況語か、до того времени(それまでは)というような文言を入れるしかない。

(わたしはそれまでこのような大河を見たことはなかった)Я до того времени не видел таких мощных рек.
(2年前まで〔2年前以前には〕カラマーゾフの兄弟を読んだことはなかった)Я не читал «Братья Карамазовы» раньше, чем два года назад.

2-1-12 動作の同時性

 ある時間枠で動作が同時に行われたときには、不完了体動詞過去形が用いられる。動作が次々と起こるときは完了体動詞過去形の順次的用法であり、2-2-1-4項参照。

(セルゲイ・イワーノヴィチはテーブルについていて、静かな落ちついた声で話していた)Сергей Иванович сидел за столом и говорил тихим, спокойным голосом.
(私が手紙を書いていた時に、彼女は夕食の用意をしていた)Когда я писал письмо, она готовила ужин. 
2-2 過去の時制における完了体の用法

2-2-1 点過去 → 完了体動詞過去形

2-2-1-1 点過去とは何か?

 アオリストとは、古代ギリシャ語やサンスクリット語などの動詞のアスペクトの一つで、完了・継続・反復といった様相とは対照的に,単に一つの出来事として動作・現象を示すものである。多くのインド・ヨーロッパ語は独立した区分としてのアオリストを失い、ラテン語ではアオリストは完了形と同化した。古代教会スラブ語にもアオリストはあったが、現代ロシア語には形式としてはなく、完了相は完了体で表現される。
 ラテン語系統のスペイン語の文法には、点過去と線過去というものがある。点過去は過去の事実を「一時点において終わったこと」としてとらえ、過去の完結した出来事、過去における事実を具体的な過去の時間を伴って表現する際に使用し、線過去は継続している出来事、または具体的な過去の時間を伴わないで出来事を表現する際に用いるという。
本書で使われている点過去(アオリスト的用法аористическое употребление)という用語は、スペイン語の文法用語から借用したものであり、ソ連アカデミー版『ロシア語文法』Русская грамматика(2巻), Академия наук СССР, Наука, 1980にあるように、過去の時間軸の特定かつ不動の一点(到達点)で行われた唯一の動作や出来事を指し、それが発話の時点と関係がないか、発話の時点との関わりを問題にしないという意味であり、現在完了や過去完了と考えてもよい。これは過去の特定かつ不動の一点(到達点)での動作をイメージするということであり、主観的と言い換えることができる。完遂的用法の過去の時制における一つの側面であり、広い意味での現在の時制では結果の存続(現在完了)として現れ、未来の時制では完遂的用法となる。これらはともに完了体の本質を示

Posted by SATOH at 2020年01月28日 18:01
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