2019年05月07日
●和文露訳要覧第469回
ロシアの犯罪史を長いこと研究しているが、ピョートル1世のころに鼻削ぎ(鼻切)отсечение носаに代わって、鼻裂き(рванье ноздрей, вырывание ноздрей) が用いられたという記述をだいぶ前に見たことがある。大黒屋幸太夫もペテルブルグでこの刑罰を受けた人を見たとあるが、どういう刑罰なのか分からなかった。鼻中隔を削ぐのかとも思ったが、最近ようやくわかった。左右の小鼻(鼻翼)を特殊なやっとこで削ぐというもので、18世紀中ごろまでは女性の罪人にも用いられたという。刑罰についてはロシアが特に残酷というわけではなく、当時の先進国であるイギリスやフランスの方が残酷であると『Сыщик, ищи вора!』(捕り手よ、賊を探せ)Бушков, «Капитал», 2018に記載がある。
出題)「これが党機関の目を逃れることはなかった」をロシア語にせよ。
タイプミスがありましたので訂正版を送付致します。
1.Этот дело никогда не пропустился совсем без внимания партийных органов.
1.Органы партии никогда не упустили этот дело перед своими внимательными глазами.
宜しく御願い致します。
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это делоでしょうが、普通はэтоで十分です。никогдаと過去完了形は普通結びつかないと思います。詳しくは次回本文参照ください。пропустить мамо глазというのはありますが、пропуститьсяという動詞は聞いたことがありませんし、完了体の-ся動詞で受け身になるのは不完了体だけです。упуститьとпередという語結合は馬から落馬のような気がします。私の答えは、Это не укрылось от внимания партийных органов.
Парторган этого не пропустил.
具体的1回でсвとしました。よろしくお願いします。
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この動詞には見落とすという意味がありますが、逃す、やり過ごすという意味もあるので、мимо глазをつけた方が意味としては明確です。
Это никак не пронесло от глаз партийного органа..
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пронести от глазという表現は聞いたことがありません。
よろしくお願いいたします。
Это не ускользнуло от глаза партийной организации.
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ускользнуть от вниманияという表現はあります。お答えは党組織であり、党機関(複数)はその中の愚弟的な機関だと思います。
Это не ускользнуло от глаз партийного органа.
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ускользнуть от вниманияとは言います。
Партийный орган не мог не этого улавливать.
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せざるを得なかったというわけではありません。それとこの動詞は五感でとらえるという意味で、見逃すということとは違います。