2019年05月02日
●和文露訳要覧第468回
『Сыщик, ищи вора!』(捕り手よ、賊を探せ)Бушков, «Капитал», 2018を読んでいるが、その中に16世紀のモスクワでは金持ちの間で飼い熊(鎖をつけていたり、つけていなかったり)というのが流行っていて、夜中になると飼い主たちは明け方まで町中にクマを放したと書かれている。熊は仲間同士で争うことはあっても、番人や遅く帰ってきた通行人には危害を与えなかったという。これは明らかに盗賊除けであろう。
出題)「こっちにいらっしゃい。言っているのが聞こえているんでしょ」をロシア語にせよ。
Иди сюда. Слышишь меня.?
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疑問符の前にピリオドが打ってあります。疑問符はタイプミスでしょう。
私の答えは、Подойдите сюда, слышите, что вам говорят.
говорятの意味上の主語はяです。
Приходите сюда, пожалуйста. Надо же, вы должны слышать мои слова!
宜しく御願い致します。
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приходитьの命令形は、期限ではなく、期間を示します。時間指定がないなら、いつでもいいから来なさいということになり、日曜日とあれば、日曜のいつでもいいからということになります。この場合はすぐにという意味でしょうから、完了体命令形を用いるか、動作の促しという意味で、идите (иди)を使うべきです。
よろしくお願いいたします。
Идите сюда. Вы слышите меня, не так ли?
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正解です。
よろしくお願いいたします
Приходи сюда. Ты слышишь, что я говорю?
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приходиだとおかしいということはすでに書きました。日本語でも自分の子を叱るときに、「私が言っているのが聞こえないの」という意味で、「人の言っているのが聞こえないの」という風に婉曲的に表現する方が多いような気がします。私、私と自分をあまり強く表現せず、主語としての一人称を省略したり、三人称複数などに置き換えるのは、ロシア語と似ています。
Иди ко мне.Ведь ты меня слышишь.
今現在聞こえている、ということでHBとしました。よろしくお願いします。
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正解です。個人的には一人称を出すと表現がきつく感じられるような気がします。
Приходи сюда. Тебе меня слышено.
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приходиについては前に述べたとおりです。слышноのタイプミスでしょう。