2018年11月21日
●和文露訳要覧第421回
『和文露訳要覧』第1章 動詞の体(アスペクト)の本質と規範の中ごろにある
「時の状況語と不完了体は相性が悪いと述べたが、不完了体が時の状況語が結びつく場合もある。これを詳しく説明すると、時の状況語を時間軸の特定かつ不動の一点(到達点)を数学的に大きさのないもの(無限小)と捉えれば、完了体的アプローチであるが、理論上はともかく、現実には大きさのない点は存在しないわけで、その点に大きさがあると感じられれば、「期間内に」ということになり、不完了体的アプローチということになる。」の後に「完了体は点時制(点過去、点未来)を示し、不完了体は面時制(面過去、面現在、面未来)を示すと考えてもよい。」を追記した。
出題)「心筋梗塞は起こりつつあったが、まだ起こってはいなかった」をロシア語にせよ。
Инфаркт прогрессировал в начальной фазе возникновения, но его припадок действительно ещё не возникал.
宜しく御願い致します。
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не возникалと不完了体なのはおかしいですね。経過(進行形)と完遂の否定が出題の意図です。私の答えは、Разыгрывается инфаркт, он ещё не разыгрался.
進行形と完了体過去の否定の使い分け、разгрываться は急激に発生するという意味。
Инфаркт миокарда возникал, но ещё
не возник.
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正解です。個人的に言えばこの動詞は「起こる」という意味で、急激にというニュアンスはないというのが気になります。それとинфарктは口語で心臓病という意味があるように、一般的には心筋梗塞という意味で使われます。
訂正版を送らせて頂きます。
1.В конечном счёте мне не удалось находиться при кончине жены.
2.Наконец я не смог оказываться при кончине жены.
宜しく御願い致します。
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これも意味は通じるでしょうが、ロシア語らしくはないと思います。
Инфаркт миокарда начался, но ещё не возник.
作りました。よろしくお願いします。
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進行形と完了体の対比ですし、完了体が続くと順次的用法となり、動作が次々と起こるニュアンスがあるので不適だと思います。
不完了体なら Разыгрывается инфаркт,でしょうか?
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その通りです。誠に申し訳ありません。訂正しました。
Инфаркт миокарда начинался, но ещё не появился.
よろしくお願いします。
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正解です。ただпоявиться = возникнутьなので、急激にというなニュアンスが加わればもっと良いかなという気はします。